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公園2
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「青葉さん、ここで何してるんですか?大学は?」
僕は隣に座る青葉さんに尋ねた。
「俺、今日は授業入ってないんだよ。」
「そうなんですか。今日珍しく智也が早めに大学に行ったので青葉さんも大学なのではと思ったんですが違うんですね」
智也のことを話すと青葉さんはどうやら理解したらしく、課題だねと呟いた。
「終わってないって言ってたよ。」
「やらないんですよね、彼は」
「そうだね…」
はぁと同時にため息をついた。
お互い苦労しているのかもしれない。
そんな話もすぐに終わり
「佑衣くんはどうしてここに?」
青葉さんはそう聞いてきた。
「この前青葉さんから送られてきた写真で散歩がしたくなりまして、昔来ていたこの公園に来たんですよ」
僕がそう言うと青葉さんは驚いた表情をした。
「え!?こんな雨の日じゃなくても」
「そうなんですが、なぜだか今日がよかったんです」
時々自分が何をしたいのかわからない
それを知ることはない。でもそれに従うしかないのだ。
「そっか、でもそのおかげで俺は佑衣に会えたからうれしいけど。」
笑っている表情が本物だというのがわかっているのに、今の僕は信じることができなかった。
「青葉さん、この公園のこと知っていたんですか?」
「うん…小さいころによく遊びに来ていたよ。」
「そうなんですか。」
きっと人気者だったのだろうな…
多分たくさんの友達と遊んでいたに違いない
「佑衣くんは?」
青葉さんの幼少期のころのことを考えていたら、不意に質問をされた
「えっと、僕は…」
僕は考えた。
いつ僕はこの公園に来ていたのだろう
誰かと一緒にいたのだろうか…
思い出そうとしても駄目だった。
「わからないです。ここには来ていたのはわかるんです。でもどうしてここにきて何をしていたのかは、思い出せなくて。」
「…」
「青葉さん?」
僕の言葉を聞いた青葉さんは悲しそうだった。
「俺はね、よく遊んでいた。自分よりも年下で小さくて優しい男の子と」
急にそういってきた彼は僕のことを真っ直ぐ見ていた
青葉さんの目は僕に何かを訴えかけているようで…恐かった
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