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公園3
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「すごくいい子だった。俺に勇気をくれて…そんな彼に何かしてあげたかった。でも、何も出来なかったんだ。」
青葉さんは辛そうに笑うのだった。
僕は何度かそんな表情を見た。
それは何かを訴えかけているようで…
そんな表情は彼には似合わないのに
彼には笑っていて欲しいのに…
「…その子とはどんなことをして遊んでいたんですか?」
きっとこの質問をしても彼の表情は変わらないだろう
「そうだね…彼は身体が弱かったから走ったり、遊具で遊ぶことはなかったよ。ただ話をしたり咲いている花を見たり、野良猫と遊んだり…」
今と一緒…
そう思うと同時に
「あーくん…」
とっさに出てしまった呼び方
青葉さんは驚いていた
「ゆーくん?」
聞いたことがある呼び方
この公園で、一緒に呼びあったもの
「ごめん…なさい」
「え?」
自分が小さな時…
楽しいと思った記憶
《ゆーくん猫だよ!》
《見て!花の冠。ゆーくんにあげる!》
《僕、ゆーくんに会えてよかった》
知ってる…
僕は知ってた
本郷青葉を…
そして、思い出してしまった。
死にたいと思った時の記憶を…
【消えてしまえお前なんか】
【誰も悲しんだりしない】
【いらない子】
【気持ち悪い】
【死ねばよかったのに…】
あぁ、消えてしまいたい
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