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公園 (side青葉)
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思い出してくれたのだとわかった
嬉しかった。
けれど、それは俺だけだったのかもしれない…
「あーくん」
彼は俺をそう呼んだ。
小さな頃によく呼ばれていたあだ名
あーくんとゆーくん
お互いにそう呼び合っていた。
久しぶりだったけれど嬉しくて
でも
「ごめん…なさい」
彼はそう言って
静かに涙を流した
怯えたような表情だった
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ」
彼は泣くのを止めず唸った。
こんな風になるなんて俺は思っていなかった。
だから、どうすればいい…
「ゆい「来ないで!」
近付こうとすると彼は俺を拒絶した。
どうすれば…
「…消えなきゃ」
「え?」
虚ろな目で彼はそう言った。
両手で両耳を塞ぐ
そして、公園の出口の方へ走っていく
この公園は少し高いところにある
階段を登らなければ来ることができないが、景色はとてもいい場所
誰かがここにいる事を見たことはなかった
嫌な予感がする
俺は彼の後ろを追いかけた。
急いで手を掴まなければ…
「佑衣!」
追いつきそうなところで手を伸ばす
もう少しで肩に触れることが出来そうだった
でも、彼は手をかわし俺の方に向き直った
俺の目を真っ直ぐと見た彼の表情はとても綺麗な笑顔だった
そんな笑顔は一瞬で俺の目の前から消えていった…
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