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Episode35
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出来るだけ人気のない場所を選んで、血のついた腕も隠して。
やっと、屋上への階段を上っている。
相当フラフラするけど、これも死ぬ為だと思えば楽。
屋上は、フェンスが高いかな?
今の僕に、越えられるかな?
まぁ、最後の運動だもんね。必死で。
やっとの事で階段を上がりきり、不用心に開いている屋上の扉を押し開けた。
あ、空が綺麗だな。
僕がさっき感じた空とは違う気がする。
ギラギラ照りつけていた太陽は、最期の僕をライトアップしてくれている様に感じる。
空は、最高の雰囲気を作ってくれているみたい。
空ばっかり見て、死ぬ事を一瞬忘れた僕。
でもね、こんな綺麗な舞台で終われるのは、幸せ。
フェンスまで辿り着いた僕は、思ったより低かったフェンスにホッとした。
これなら、僕にも登れる。
ご主人様、最後に何も言えなくて残念です。
お父様、僕、邪魔にならない様に死にます。
思い浮かべる人間の少なさに、少し笑った。
人間関係も、希薄だったんだね。
僕は、さほど高くないフェンスを、登り始めた。
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