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Episode38
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「血を流してる患者を無理矢理にでも止めなかった看護師も馬鹿だけど!アンタの方がよっぽど馬鹿ね!」
叫ばないで。
どうして、罵るの。
「廊下に血が垂れてる、って別の患者が言っていたの。様子を見に行ったら、血が垂れ始めていたのは貴方の病室だったわ。」
口調は、落ち着いたけど。
「貴方がフェンスの上でゆっくりしていてくれて良かったわ。さっさと飛び降りていたら、間に合わなかった。」
そっか。
さっさと飛び降りれば良かった。
「こんなに馬鹿な患者を、ちゃんと見ていなかったアタシの責任だわ。」
僕の、責任。
「貴方は悪くない。
アタシだって、毎日嫌な奴と居たら死にたくなっちゃうもの。貴方、アタシの事嫌なんでしょ?」
「良いのよ。四六時中付きまとわれたら、嫌気が差すわね。当たり前よ。」
「でもね、貴方は死んじゃ駄目なの。」
誰が、悲しむと言うの…?
「綺麗事は言わない。
死ぬ事をしなければ良いだけの事。簡単よ。」
簡単じゃない。
簡単じゃない。
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