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Episode40
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「…っ…」
「これ、相当適当に抜いたでしょ?
傷口、広がってるわ。痛かったでしょ?」
消毒液が、染みる。
固まっていた血が水気を帯びて、ガーゼを赤く塗りあげていく。
今更になって、傷口が痛み出した。
「実を言うとね、貴方を集中管理室に運ぼうって話があったの。知ってる?集中管理室。」
首を横に振った。
「まぁ、読んで字の如くよ。機械の目や医者の目、看護師の目…ありとあらゆる目に管理される部屋よ。
貴方みたいに死のうとしたり、いつ何をするか分からない人がね、入る場所なの。」
ありとあらゆる、目…。
「でも、断っておいたわ。
あんな所にいたら、頭おかしくなっちゃうもの。
貴方は折角しっかりしているんだから、さっさと退院しちゃいたいでしょうしね。」
良かった…。
集中管理室なんて、入りたくなかったから。
「はい、治療終わり。」
新しい包帯を巻かれた腕が、じくじくと痛んでいた。
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