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Episode46
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沈黙の溢れる病室では、嫌な臭いが立ち込めていた。
無論、説明するまでもなく僕の吐瀉物からの臭い。
カルテを持ったまま窓を開けて臭いに顔を顰めた内科医。僕を見る目が、変わる。
「大丈夫よ、時雨君。身体が少しびっくりしただけ。
これぐらい、病院なんだから幾らでもあるわよ?」
櫻井がそう言う。
でも、内科医は僕に近寄ろうとしない。
汚物を見る様な、腫れ物に触る様な、そんな目で見てくる。
どうして皆、そんなに嫌がるの。
僕が、不良品だから?
穢れているから?
汚いから?
きっと、言うまでもなく全部。
だから、警察もこの内科医も、僕を嫌悪する。
どうしようもない、僕を。
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