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Episode82
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くるしい。
いきが、できない。
「大丈夫よ、時雨君。
アタシの言う通りに、呼吸してみて?」
突然聞こえた声に、驚いた。
いつ入ってきたのか、分からなかったから。
こきゅうなんて、できないよ。
こんなにくるしいんだもん。
「…吸って?吐いて…。」
その通りに意識すると、何とか呼吸が落ち着いた。
途端に訪れた、不安感。
また、何処かにいなくなっちゃう?
嫌だ、1人にしないで…。
そう思った時には、もう櫻井にしがみついてた。
不思議に思ったのか、何度も具合が悪いか聞かれたけど、そうじゃない。
「1人にしないで」、これだけなのに言えない。
もどかしい。
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