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番外編・やっと side侑
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湊が家に帰ってきた日。
櫻井さんの家で、パーティーを開いていた。
「湊君、おかえり!」
「おかえりなさい、湊君。」
「おかえり湊。」
「…ありがとう、ただいま。」
俺達の目の前にいたのは、穏やかな湊だった。
一番最後に送られた手紙には、湊を制御出来るようになったと書いてあった。
だが実際の所、不安でもあった。
俺達に会ったら、また湊は戻ってしまうんじゃないかと。
…でも、それは杞憂だった。
前より髪が短くなっていて、あまり顔色は良くないが
手紙の通り制御出来ているらしい。
湊が消えた訳ではないらしいけど。
「ごめんなさい!!」
俺達がほっとした中、湊は声を張り上げた。
頭を下げたまま、涙をボロボロと零しながら半ば叫ぶ様に湊は言った。
「いっぱい傷つけて痛めつけて、沢山沢山心配と迷惑かけました…!
俺はまだ、許されてません。
何よりも大事な、優しくしてくれた人達に…こんなに…」
嗚咽を洩らし、言葉が続かなくなった。
俺の目にも、涙が浮かんだ。
考えるよりも先に身体が湊を抱きしめていた。
湊の腕が、そろそろと俺の身体を抱きしめる。
…やっと、兄弟の柵が解けた…。
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