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異変
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春仁に今まであったことを全て話した。
もちろん祐斗と俊平の名前は伏せて。
「はぁ〜〜〜佐伯も大変やなぁ。」
春仁は心の底からそう思った。
「友達だと思とった奴等から告白され、一人とは目が合わせられんで、もう一人からは避けられとるんやろ?」
「そしてテストが・・・」
「まぁそれは自分の頑張り次第やしおいといて。」
日向にとっては大事なことなのにサラッと流される。
「目が合わせられんのも自分次第やろ?」
それについては何も言い返せない。
「避けられとるんは何か心当たりないん?」
「あったらこんなことはるちゃんに相談しねぇよ。」
「やなぁ。」
春仁が腕を組んで考える。
日向は また大きなため息をついた。
「はぁ・・俺嫌われたのかなぁ・・・」
「好きになったやつをそうそう嫌いにならんと思うけどなぁ。」
「じゃあなに?」
「佐伯は何やと思うん?」
質問に質問で返され日向は頭を悩ませる。
「やっぱり嫌われたとしか・・・」
「何や佐伯。女子みたいな考え方やな。」
春仁に笑われてムッとする日向。
「じゃあはるちゃんは何て考えんのさ?」
「俺?俺だったら・・・友達に戻ろうとしてんのかなって思うやろなぁ。」
「友達に?何で?」
「もう一人のやつに譲ろうとか・・・?」
春仁の答えに日向は笑った。
「少女漫画じゃあるまいし。はるちゃんの方が女子みたいな考え方してるじゃん。」
「うっさいわ!でもそれしか思いつかん。」
「ふーん。友達に・・・か。」
これまでの祐斗の行動を思い返してみるも答えがわかるはずもなく、日向は微妙な顔をする。
そんな日向の様子に春仁は日向の頭をぐしゃぐしゃっとかき回した。
「わっ!何すんだよ!」
「そんな顔しいなや。あんま気にせんとき?」
「・・・・・うん。」
春仁がまた日向の頭をくしゃっとしても何も言わなかった。
「・・・俺・・どうしたらいいんだろ・・」
「何もせんでええんやない?」
春仁の返答にガバッと顔をあげる。
「うおっ!!何や急に。」
「何もしなくていいって・・・」
日向が変なものでも見るように春仁を見る。
「だって本当に友達に戻ろうとしとったらそっとしとったがいいんやない?例え違ったとしてもお互い色々考える時間がとれるやん。」
日向はまた黙ってしまった。
しかし しばらくすると納得したように言った。
「うん。そうだね。そうする。」
日向が春仁に向かって笑うとガラッと扉の開く音がした。
「もう下校時間ですよ。」
そう言って入ってきたのは生徒会長だった。
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