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日向は由香里と別れた後、靴箱の前でぼーっとしていた。
由香里の最後の言葉が耳の奥にこびりついてとれない。
「日向?」
しばらく靴箱の前で動けずにいると一人の人物が声をかけてくる。
「あ、祐斗・・・なんで・・・」
日向が振り返ると笑顔を向けて近づいてくる。
「ちょっと先生に荷物整理を手伝わされて・・・・どうしたの?顔色悪いよ?」
祐斗は近づくにつれ日向の顔色が良くないことに気づき、眉根を寄せる。
祐斗に言われて初めて日向は顔がこわばっていることに気づき笑ってみせる。
「そうか?」
「うん。」
それでも顔からは血の気が引いたままで祐斗の顔をさらに曇らせた。
「何かあった?」
祐斗の質問に日向は黙ってしまう。
しばらくの沈黙の後日向はゆっくりと口を開いた。
「何も・・・ないよ・・?」
へらっと笑う日向に祐斗はそれ以上聞くことができなかった。
「そう・・・・・・でも、何かあったらちゃんと言ってね?」
そう言いながら祐斗は、日向の身に何も起こらないよう願いを込めて頭を撫でる。
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