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祐斗の意図
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委員会室にパラパラと資料をめくる音が響く。
委員会室にいるのは祐斗と由香里の二人だけだ。
今日は委員会の集まりがあり資料整理をしていたのだが、最初は委員でもない部外者の由香里がいることに全員が疑問を持っていた。
しかし橋本さんの友達で大変そうだから手伝いに来たと言われ納得していた。
そしてしばらくすると他の人は部活や用事があると言って帰って行った。
ついさっきまで橋本さんもいたが塾があるからと帰ってしまった。
「祐斗くん。これはどうするの?」
「あぁ。これは・・・」
祐斗は由香里の質問に丁寧に答える。
手伝ってくれるのはありがたいが、正直に言って祐斗一人でやった方が早い。
いちいち質問に答えてるせいで作業ペースが乱れるのだ。
それにしてもいつから『祐斗くん』などと呼ぶようになったのか。
「吉岡さん。」
吉岡というのは由香里の名字だ。
「なぁに?」
「もう遅いし帰った方がいいんじゃない?あとは一人でもやれるから。」
「まだ大丈夫だよ。」
祐斗は暗に帰れと言っていたのだが伝わらなかったらしい。
ため息をつきたいのを我慢して作業に戻ると由香里が驚きの言葉を発する。
「それに・・・少しでも一緒にいたいから・・」
「・・・・・え?」
言われた言葉の意味がわからず祐斗の一瞬固まってしまった。
そんな祐斗を由香里は少し照れたような顔と上目遣いで見つめてくる。
「私、祐斗くんのこと好きなの。」
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