アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
戻れない日常
-
ケーキを食べた後、日向は祐斗の部屋で本を読みふけっていた。
しかし集中力がきれてきたのか時折本から目を離し、部屋を見回す。
「何?日向。その本飽きた?」
「え?あぁ、違うよ。目が疲れただけ。」
「そう?じゃあもう本読むのやめたら?
その本貸してあげるよ?」
「まじ? やったぁ!ありがと!」
日向は素直に喜ぶ。日向が面白いと言った本は全部で7巻あり、流石に今日一日では読み終えることはできそうになかった。
「何か飲み物とってくる。」
そう言い残し祐斗は部屋を出て行った。
しばらくすると二つのコップを手に戻ってきた。
「はい。麦茶でよかった?」
「うん。さんきゅー!」
コップを受け取りゴクゴクと飲んでいると名前を呼ばれる。
「ねぇ・・・・・日向・・・」
「んーーー?」
「昨日 俊平と何かあった?」
「ぶーーーーーーーーーー!!」
日向は口に含んでいたものを噴き出した。
「うわっ!日向汚い!」
「げほっ!げほっ!ご・・・ごめっ・・」
「で、何があったの?」
(こいつ! まだ聞くか? )
さらに聞いてくると思っていなかった日向は動揺を隠せない。
「な、何にもない!」
「嘘。そんなに動揺するってことは何かあったって言ってるようなもんだよ。」
日向は隠し事が大の苦手だ。初対面の人でも日向の嘘は見破れる。そんな日向が10年以上も一緒にいる祐斗に隠し事なんてできるはずがなかった。
「日向、俺に嘘つくの?
俺だけ仲間はずれにするの?」
そんなこと言われれば話すしかない。
「・・告白・・・・・された・・・」
「それだけ?」
「キス・・・も・・・・」
「・・・・・・それから?」
祐斗の雰囲気が変わった。
(祐斗、怒ってる?)
日向は少し後ずさる。
「それから・・・どうしたの?」
・・・・祐斗が近づく。
・・・・・・・・・・・日向が後ずさる。
ドサッ!
ベットの足に躓きそのまま倒れこむ。と同時に身体に重力を感じた。
「祐斗っ⁉ 」
祐斗に押さえ込まれ、身動きが取れない日向は叫ぶしかない。
「日向・・・・・・」
その声は切なくて悲しくて辛そうだった。
「日向を好きなのは、俊平だけじゃない。」
「え?」
「ずっと・・・・・・好きだった。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 138