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もう後には引けない
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「・・・・・・んっ」
次の日の朝、日向はいい匂いに誘われて目を覚ました。
「あ。日向、起きた?」
「祐・・・・斗・・?」
「うん。起きれる?」
「ん。・・・・・・っっ!」
まだ力が入らない身体を起こそうとしたその時、全身の関節が軋むような痛みに再びベッドへうずくまる。
「日向。無理しなくていいから。
ちょっと待ってて。」
そう言って祐斗が部屋から出て行った。
しばらくすると朝食を持った俊平と一緒に戻ってくる。
(いい匂いだと思ったのはこれか・・・)
目の前におかれたものをみると、ご飯に味噌汁、卵焼き、漬物があり、日本の朝食って感じだった。
「・・・これ、俊平が?」
「うん。一人暮らしだしこのくらいはね。
あ、でも卵焼きは祐斗が作ってくれたんだよ。」
「え!? 祐斗 料理出来たの?」
「まぁ 簡単なものくらいなら。」
「へ〜・・・・・知らなかった。」
そんなことを呟きながら、卵焼きを口に入れる。
「・・・・・・・・・・うまっ・・・」
「よかった。」
祐斗がほっと胸を撫でおろす。
「二人は食べねぇの?」
「俺たちは日向が起きる前に食べたから。」
「そっか。」
俊平の言葉を聞いて、また食事に戻る。
次は味噌汁に口をつけた。
「ねぇ 日向。」
「んー?」
「どっちか決まった?」
祐斗の質問に日向の動きが一瞬にして止まる。
今すぐこの場から逃げ出したい衝動に駆られる。
でも 逃げることなんて出来ない。
ここに来る前、日向は向き合うって決めたから。
味噌汁を飲みほし、お椀を置いた。
その時の音がやけに大きく響いたように聞こえたのは、きっと日向だけではなかったはずだ。
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