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デート
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日曜日。
日向と祐斗は色々なお店を回った結果、ストールを買うことにした。
何色にするか悩んでいると若い女性の店員が話しかけてきた。
「ストールをお探しですか?」
「ええ。母へのプレゼントに。」
祐斗の言葉を聞いた店員は二つのストールを手にとった。
「女性でしたらこちらの二色がお勧めですよ。」
店員が手にとった一つは淡い黄色で、もう一つは鮮やかな緑色だった。
(叔母さんだったら黄色かなぁ。)
自分の中で祐斗の母に似合う色を選んでいると祐斗に聞かれる。
「ねぇ日向。日向だったらどっちがいいと思う?俺は黄色だと思ったんだけど。」
「おっ俺もそっちがいいと思ってた!」
「本当?じゃあこっちの色にします。」
「はい。プレゼント用にお包みしますね。
こちらへどうぞー。」
そう言って店員は奥のレジへと向かう。
その後を追おうとする祐斗の袖を掴み引き止める。
「俺、そこの椅子に座って待ってるから。」
掴んでいた袖を離すと店の近くにあるベンチに駆けていく。
祐斗は平静を装っていたがかなり動揺していた。
裾を掴み上目遣いで見上げてくる日向を思い出す。
(今のは反則だろーーーーっっ!!!)
ベンチに座って祐斗を待っていると、祐斗がさっきの店員と仲良さげに話しているのが見えた。
「・・・・・・・・・・・・あ。」
店員が顔を赤らめながら、祐斗の腕に軽く触れる。
もやっ
(もやっ?・・もやってなんだ!もやって!)
頭を両手でぐしゃぐしゃっと掻き回す。
(あ"ーー、何か違うこと考えよ。)
ぱっと顔をあげると一人の女の子に目がとまった。
(あの子可愛いなぁ。あ、でも彼氏いる。)
他にも可愛い子がいないか探してみる。しかし周りはカップルばかりだった。
日曜日だし仕方ないと思っていると、ふと祐斗に言われた言葉を思い出す。
ーーーずっと・・・・好きだったーーー
日向は自分の顔が赤くなるのを感じた。
(もしかして祐斗、今日デッ デートのつもりだったりして。)
「日向。」
「ふえぇぇいっ!!」
考え事をしてる最中に祐斗が声を掛けたため、変な声が出てしまった。
「なっなに? 奇声発しないでよ!
ビックリするでしょ!」
「ご、ごめん・・・」
「どこか行きたいとこある?
まだ時間あるしどこか行こうよ。」
意外に早くプレゼントが決まったため、まだ三時だった。
「じゃあ映画見に行きてぇ!
めっちゃ面白そうな映画があったんだ!」
「映画かぁ。最近見てないな。」
「見に行こう!絶対面白いって!」
「うん。行こうか。」
「やったーーーーーーー!!
早く行こ!」
祐斗の行くという返事を聞いてはしゃぐ日向。映画館に行こうとして早速道を間違えようとする。
「映画館そっちじゃないって!
ほら、こっちだよ。」
祐斗は慌てて止めて、さりげなく手をつないだ。
すると すぐに気づいた日向が顔を真っ赤にしながら手を振りほどく。
「もう俺子供じゃねぇから!!!」
そう言うと走って行ってしまった。
(・・ねぇ・・・・・なに?・・・・・今の。
もしかして・・・・・・いや違うかも・・・・日向のことだから本当に子供扱いされるのが嫌だったのかもしれない・・・・でも・・・・でも・・・・・・・
・・・・・・・・・意識してくれた?)
祐斗は口元を手で隠す。
(やばい・・・・・・・にやける・・・)
前方を見ると数メートル離れたところで、日向が振り返って祐斗を待っていた。
眉間にしわを寄せている日向を見てすぐに追いついた。
「ごめん。ごめん。
別に子供扱いしてるわけじゃないよ?」
日向の頭を軽く撫でると怒ってくる。
「それが子供扱いって言うんだろ!
もう!早く行こ!」
「はいはい。」
二人で映画館まで行っている間、祐斗はずっと同じことを考えていた。
(そうだったらいいな。
意識・・・・・・してくれてたらいいな。)
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