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無気力な彼らのお祝い
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現在時刻 午後3時28分
「どうしよう研磨。何も思いつかない」
「俺に聞かないでよっ…分かんないし……」
目を泳がせる研磨の顔を見ながら、必死に思考を巡らせる。だが、全くと言っていい案が思い浮かばない。
「やばい。マジで。何も出てこない」
は頭を抱える赤葦を見つつ、研磨はありもしないものを考えてしまった。これを言ってはまずいと、更に小さく縮こまる。
「……なんか案が出たっぽいね」
「!」
「言ってご覧なさい」
凄い体制で凄いことになっている赤葦の顔を見て吹き出しそうになるが、それをこらえて首を横に振った。否定の意を示された赤葦は、綺麗に座り直して再び問いかける。
「言ってご覧なさい」
「態度の問題じゃないから……。いいよ、これ…ボツ」
「言ってご覧なさい!」
「あかあしうるさい」
声を荒らげた赤葦から、何か不吉なオーラを感じ、思わず物陰に隠れる。オーバーすぎる心理描写に屈することなく、研磨は大きく構えた。
すると、いつのまにか美しい(?)赤葦に戻っていた。というか、いつになく表情が爽やかである。
「あかあ…… 」
「言ってご覧なさい」
透き通るような声は、心をも見透かされているようだった。十分すぎる彼の自然な笑顔に、研磨は少しだけ恐怖を覚える。
四つん這いで元の位置に戻り、おそるおそる口を開いた。
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