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#26
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たくさんダンスの練習をし、衣装も自分たちで準備してきた。
今日はとうとう文化祭当日だ。
校門の前へ行くと、でかでかと学校の文化祭を象徴する、文化祭門が立っていて、今日までクラスの垂れ幕係が頑張って描いてくれていた垂れ幕が校舎の4階の廊下から下がっていた。
それを見て、だんだんとテンションが上がってきた。
俺は軽い足取りで、校内へ入った。
教室に来ると、既に多くのクラスメイトが集まっていた。
ダンスをするというだけあって、女子のほとんどは頭の上で大きなお団子を作ったり、アップにさせて逆毛を立てていたりと、気合い十分のようだった。
「あ、武博ー!」
その声は、優のものだった。
「優!今日は来るの早いんだな。」
「まぁなー。俺だって文化祭楽しみだし。30分から開会式だろ?さっさと行こうぜ。」
俺は優に言われるまま、体育館に向かった。
体育館も文化祭仕様になっていて、ステージが華やかに飾られていた。
それを見た俺は、胸がいっぱいになって嬉しさが込み上げてきた。
隣にいた優にも、その俺の嬉しさが伝わっていたようだった。
「…武博、嬉しそうだな。」
「そりゃもう!俺、去年の文化祭出られなかったから、今年が初なんだよ。」
「…え、そうなのか!?」
「うん。去年はちょっといろいろあって病院にいたんだよ。だから行けなくってさ。……だから、文化祭ってこんなのなんだぁ、って。」
俺が言うと、優は俺の頭に自分の肘を乗せてきた。
何かと思って優の顔を見上げると、ニヤッとした嬉しそうな顔をしていた。
「……じゃあ、今年はめいっぱい楽しもうな!」
俺はその言葉に大きく頷いた。
しばらくすると、全校生徒がこの体育館に集まり、窓のカーテンが閉められ天井の明かりか消えた。
このことを知っている2、3年生は歓声を上げ、俺のように今年が文化祭初の1年生はざわついた。
すると、ステージにだけライトが灯り、体操部とブラスバンド部の数名が暗闇から現れた。
そして、 ブラスバンド部の演奏する曲に合わせて体操部が次々と大技を決める。
体操部の最後の1人の大技が決まると、一気に天井の灯りが点き、生徒会の1人が文化祭のはじまりの挨拶をした。
「これより、文化祭を開催いたします!みなさん、楽しい2日間をお過ごしください!!」
「「「「「「オォーー!!!!!」」」」」」
この大きな歓声が広い体育館に響いた瞬間に、文化祭が始まったように感じた。
そのあとの校長の話なんて、誰も聞いていないようだった。
生徒会長の挨拶も校長のような真面目な話ではない。生徒はみんなノリノリのリアクションを取って、盛り上がっていた。
「…それでは、1日目午前の部は、9時15分より始まります。担当の生徒は、持ち場についてください。みなさん、良い文化祭をお過ごしください!」
「武博!始まったな!」
「おぅ!…で、まずはどうしたらいいんだ?」
「あ、実行委員の奴が、開会式が終わったら1回教室に戻ってこいって。最終確認をするんだとよ。」
俺たちは一刻も早く文化祭を回るために、急いで教室に戻った。
「私たちが今日と明日ステージを使えるのは、11時から12時の間と、3時から4時の間の時間なので、10時半と2時半には必ず体育館のステージ袖に集まるようにしてください。衣装はそこに置いておくので、来た人から衣装に着替えておいてください。…以上です。それじゃあ、時間まで文化祭を回っててくださーい!」
クラスメイトは、みんな友達と一緒に思い思いに教室を出ていった。
俺も優と一緒に教室を出て、校内を回った。
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