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#75 解放
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「……優…。……お前は今まで何回も、自分の記憶が途切れていたことがあったと思う。
今日も学校でそれを感じてイラついていたと思う。
………そしてそれは特に、学校以外で俺と2人でいたときに多かったと思う。
……いや、むしろ俺と2人でいたことさえも覚えてないか…。
………休みの日とか、自分が何をしていたのか覚えていない日がここ最近多かったんじゃないか?
それを優は、自分がボケてきたからだって言って、ずっと誤魔化していた。
………でも、自分でもそんなはずないって、これはおかしいってわかってたんじゃないのか…?」
「……ん…。……でも、それが何だってんだよ…。」
「……俺は、その理由を香織さんから聞いた。」
「……………え…。」
「…………優…。
お前の記憶が途切れるのは、お前とは違うもう1人の別の人格の人間が優の中から出てきているからなんだ…。」
「…………………は、…ぁ…?」
「……そいつは、普段は優があまり表に出さない感情…、怒りとか悲しみとかを強く感じたときとか、何かを強く我慢しなくちゃいけないときに表れてくる。
そして、そいつが現れてるときは、優は眠っているのと同じ状態になるんだ。…だから優の記憶が途切れるのは、そいつがずっと表れていたからなんだよ。」
「………っ、…ぅあ…ッ。」
「…………………そいつの名前は、光…。……"山岡 光"っていう名前なんだ。」
「……ぁ…、うぁ…ッはぁ…。」
「…………俺は、その男と付き合っていた…。
…まぁ、正確には、俺は優に告ったのに光が勝手に返事をしたっていうんだけどな。
……前に1回、優に俺が触っちゃったこと、あったろ?
…それは、こういうことがあったからだよ。」
「…ま、まじで…、待って…、たけひ、ろ…。」
「………ごめんな、今まで黙ってきて。
………ずっと、優に何て言ったらいいのかわからなかったんだ。
…………でも、俺も香織さんも、優のことを助けたい…!」
「だ、から…!…これ以上は…、やめ…ッ!」
「今回みたいなことがこれ以上起きてほしくない…!
優と光がこれ以上辛い思いをしてほしくない…!
だから、俺は光のことをお前に話した。
…優にとって辛い記憶が思い出されてしまうのも知ってる!
でもやっぱり俺たちは、本当の優に幸せになってほしいんだ…ッ!!
………………………だから……ッッ!!」
バタッ
「…優ッ!?!?」
…優が頭を抱えながら倒れた。
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