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要求2
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「.....」
苦悶の表情で押し黙る東雲。
相変わらず、こいつの良し悪しの線引きが分からない。
しかし、これは俺にとっては悪くない展開だ。
このまま諦めてさっさと帰るんだ東雲!
(勝った..)
別に勝負なんかしてないが、そう確信した俺は歓喜に笑みをこぼした。
男のくせに処女を失うなんて馬鹿馬鹿しいことにならなくてよかったぜ。
しかし東雲は、やはり一筋縄でいく男ではないらしい。
「...じゃあ、俺のこと名前で呼んでよ」
「あ?」
「だめ?」
「.....別にそれくらいいいけど」
突然の要求に目を丸くする。
東雲は、どうやら名前で呼ばれることにこだわりを持っているらしい。
無言で俺が名前を呼ぶのを待っている姿は、なんと言うか...うん、やっぱり犬だな。
というか、キラキラした目で待たれると逆に呼びづらいわ。
そんな俺の心の内も知らない東雲の目を見て、俺はゆっくりと口を開く。
「...そ、奏太」
「うん。何、園原」
な、何って言われても...。
とりあえず名前呼んだだけだし、とは言えない状況。
仕方ないから、なんか適当に言葉を繋げる。
「は、早く帰ろうぜ。奏太」
一刻もはやくこの場から去りたい俺は、東雲の腕を掴んで引きつり気味の笑顔を見せる。
しかし。
「それはだめだよ。だってまだ一緒に気持ちよくなってないでしょ?」
..........。
誰かこいつを殴ってくれ。
さっきから会話が成立していない気がする事実に、俺は頭を抱えた。
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