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三人
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幌の外から再度話し声が聞こえ出す。
「お、終わったか、どうだったよ?」
「希望通りですね、有難うございます。
それではこれから選別に移りますので引き続き見張りをお願いします」
「あん?今したんじゃねーのか?」
「はい、選別は私ではなく違う人間が行います。私は安全確認をしただけですので。
それから選別が始まったら私が良いと言うまで決してこちらを見ないでください。
もし見た場合、無条件で契約を切ります」
「は?契約を?・・・まぁ見るなっつうなら見ねぇけど。変なことすんなよ?」
「ご安心ください。それでは選別に移ります」
その一言を最後に会話は途切れ、車のドアが開き、そして閉まる音がした。
先ほどと同じ方向から、幌をめくる音がする。
そして懐中電灯の明かりがちらつくが、今度はその数が三つになっていた。
もう一度一人一人の顔が照らされていく。
そして俺の顔が照らされた時、少年のような声が聞こえた。
「春、これいいんじゃない?」
「うん、いいと思う。暴れてないし。ね、樹これにしよーよ」
「決まったね、さん・・・爺や、これが良い」
「左様でございますか。
恐れながらまだ何人か残っておりますが、そちらは宜しいのですか?」
「うん、これが良い。ね、春」
「はい、僕もこれが良いです」
「かしこまりました、それではお二人は車にてお待ちくださいませ」
三つの明かりが荷台から出て行く。
・・・これが良いって、俺の事だよな。
んだよ、人を物みたいに扱いやがって。
大体さっきの声って子供だよな、一つは爺さんみたいな声だったけど。
あ、女か?でもどの道あんまり変わらねーよな。
名前も言ってたな、確かはる、と、いつき、と、爺や、だっけか?
はるはともかくとして、やっぱりいつきっつったら男・・・子供か?
俺がそんなことを考えていると目の前にいきなり明かりが灯り、次の瞬間、押し付けられた。
「っぁ˝、う˝ぅ˝」
真っ暗闇から急に強烈な光を当てられて、目が焼けるように痛む。
そしてその痛みに気を取られている間に、俺は腕に何かを刺され数秒もしない内に意識を飛ばしてしまった。
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