アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
金槌
-
「・・・い、おーい、イチー、おきてー・・・うーん、水掛けてみよっかな」
おぼろげな意識の中でそんな声を聞いた。
目を開こうとした次の瞬間、顔面に衝撃が走り口の中に大量の水が入る。
「っぶぅ、げっほっ、げほっ、はぁ」
「あ、起きた」
顔を振って水を払うと目の前にはさっきぶりの綺麗な面。
ストレートヘアー・・・樹か。
「んーと、一応聞くけど春に謝る気ある?」
「春?だれ・・・あぁ、さっきの馬鹿か」
思い切り嫌味たらしくそう言ってやると、柔らかかった表情が一気に険しくなった。
「あ?何だ、頭に来たか?はっ、ざまぁみやがれ」
俺が重ねてそう言い捨てると、舌打ちをして部屋の隅から何かを運んできた。
上を向いたままなので何を持って来たかは分からない。
「もう一回だけ聞くね、あやま」「ばーか」
ガキのすることなんざたかが知れてる。
そう思った俺はせめて少しでも反抗して、逆に向こうの精神を攻撃してやろうと挑発した。
その返事を聞いた樹は数秒俺の身体を眺めるとおもむろに何かを振り上げて、そのまま振り下ろす。
ごりっ
「いっ、ぃい˝あっ˝あっ˝あ˝あ˝あ˝ぁ˝っ」
部屋の中に俺の叫び声が響く。
何をしたのかと樹の手元を見ると、うっすら血の付いた金槌が握られていた。
こいつ、これで俺の足を、殴ったのか、金槌で、俺の、足を。
「あーびっくりした、急におっきな声出してどうしたの?痛かった?」
「あ˝っ、はぁっ」
「そっか、痛かったのか・・・あはっ、良かった。じゃあ謝る?」
「ふざっ、ぐぅっ、はぁ、げんなっ」
「ふぅん、じゃあ次はどれにしよっかな。あ、その前に煩いからこれ着けとこうね」
樹が俺に猿ぐつわを噛ませ、頭の横でカチャカチャと道具を選ぶ。
その間、俺の身体はかつてないほど震えていた。
何で俺がこんな、畜生絶対謝んねぇっ、糞ガキがっ。
「よし、次はこれにしよっと」
何だ、何を・・・おいどうするつもりだよそれ。
樹が俺の腕を撫でながら楽しげに話し始める。
「へぇ、結構肌綺麗なんだね。指も細いし綺麗な手。
爪の形も綺麗だけど、もう一回生えて来てもおんなじ形になるかな?」
こいつさっきから何気持ち悪い事・・・嘘だろ?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 72