アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
開いた
-
窮屈な部屋へと戻ってくる。
ベッドに座らされ何故か外されていた筈の手錠を掛けられた時、急に尿意を催した。
「おい、便所どこだ」
「あぁ、忘れておりました」
かみ合わない返答を返した三番は、中途半端に手錠を付けたまま部屋から出て行ってしまう。
俺の手首にぶら下がった手錠はまだベッドには固定されておらず、耳障りな音を鳴らしながらも自
由に歩き回ることが出来た。
ふと、扉に視線が行く。
「・・・一応、試してみっか」
そうひとりごちると、俺はなるべく足音を立てないようにゆっくりと扉へと近づいた。
一度経験した苦い記憶を抑えつけながらドアノブに手を掛ける。
息を吸い込んでノブを回し扉を引く。
・・・きぃ
扉はゆっくりと、開いた。
は?ひ、開いた・・・よし、よしっ。
高揚する心を落ち着かせようと大きく息を吸い込みしっかりと吐き出す。
先ほどよりも更に慎重に扉を開き僅かに頭を出して左右を見渡す。
今のところは・・・誰も居ない様だ。
三番は一体どこに行ったのだろうかと考えながらも、突然巡って来たチャンスを逃すまいと俺は必
死で思考を巡らす。
まずは今いるのが地下だから上に行かなくちゃいけねぇ、階段の場所は多分覚えてる。
外に通じる道順が今一つ分かんねぇのが痛いな、居なくなったのがばれるのも時間の問題だろうしいたずらに突っ込むのは得策じゃねぇ。
とすると多少危険でも確実に外に繋がってる場所・・・そうだっ。
俺はまさに先ほど食事をした部屋を思い出した。
あそこからは庭が見えた筈だ、ってことはとにかくあそこまで行きゃあ外には出られる。
後は見つかりそうになったら叫びながらでもなんでも走って出て行きゃあ良い。
近所の誰かしらが不審に思ってさえくれれば流石に言い逃れは難しいだろう。
上手く行きゃあそのまま逃げれるかも・・・よし、良いぞ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
21 / 72