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惨状
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「春様、夕食のお時間です。
お昼から何も召し上がっていらっしゃいませんので、流石に夕食は食べられて下さい」
三番は、地下室の前で声を掛けていた。
静かすぎることに、違和感を覚えながら。
「はーい、今出て行くからちょっと待ってね」
「かしこまりました。イチ様はどうなさいますか?」
扉越しに声を掛ける。
「あ、ちょっと待って」
数秒の後、イチのうめくような声が聞こえた。
「こら、イチ、僕が話しかけてるんだから返事しないと駄目でしょ?」
「ぅ˝あっ・・・あ˝、ぃ」
一体、何をされればあんな声になるのだろうか。
そう思って扉を開こうとした時、春が出て来る。
春は服を着ておらずその身体はところどころ濡れていたので、蛇口からお湯を出して洗ったのだろ
うと推察した。
「三番、イチはちょっと食べられないみたいだから、後で点滴でも打っといて、あ、それとイチの身体についてるのは外さないようにして綺麗にもしてね」
「・・・かしこまりました」
三番は中の様子を確認したかったが、その気持ちを抑えて春の先導を務めた。
「・・・それでは、イチ様の所に行ってまいります」
「行ってらっしゃーい」
夕食を食べ始めた春に背を向けて、三番は地下室に向かって歩き出す。
頭の中であらゆる状態を想定し、それらに対処するために必要なものが地下室横の物置にあるかどうかを確認する。
点滴、消毒、縫合・・・必要な物はあるな。
先ほどの様子からして、早く到着しないと手遅れになるかもしれない。
三番は周囲を確認すると、カーペットの敷かれた廊下を走り出した。
走ったおかげか数秒で地下室の前に到着した三番は、息を整えて声を掛ける。
「イチ様、三番でございます」
三番はゆっくりと、扉を開いた。
足を踏み入れた地下室の中は精液と、血と、薬が混ざり合ったような匂いが充満していた。
ふと視界に入ったのは濡れた床と、脱ぎ棄てられたスラックスとシャツ。
それからホースが刺さったままの蛇口などを見て三番は推察が当たっていたことに気付く。
そうして視界を前に戻すと・・・どうなっているのか分からなかった。
三番はベッドへと歩み寄る。
だが、近寄って見ても分からなかった。
過去に前の主人の下でおびただしい数の人間に応急処置をしてきた三番でさえ、目の前に広がった惨状を理解するの数秒は要した。
まず注意をひかれたのは手足の赤色。
枕元に固めて置かれた物をよく見ると、全て剥がされた爪であることが分かる。
身体中にローターがクリップで挟まれて付けられており、中には血の付いたものもある。
耳を澄ますまでもなく機械の振動する音が聞こえた。
一際大きな音がする後孔に目をやると、そこには太いディルドが入れられており、隙間からは無数のコードと白濁が漏れ出ている。
また少し視線をずらすと陰茎の先にも尿道用のそれが刺さっており、そちらからもどろどろとした白濁が漏れ出していた。
「・・・イチ様、イチ様聞こえますか?イチ様っ、八代純一様!」
目に見えない所に怪我が有ってはいけないので、まずは声を掛けて反応を確かめる。
「・・・ぁ」
虚ろな目がかすかに動く。
口から出たものは声とは呼べないが構わない。
「イチ様、今から怪我の処置を致します。
痛みがあったとしても治療ですのでご辛抱ください」
反応は・・・無い。
三番はまず包帯をしていた筈の左手をゆっくりと持ち上げ、傷の具合を確かめようとして、何故かそこからもコードが伸びている事に気付いた。
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