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自分革命
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結局医務室で痛み止めをもらい寮に帰る。
特待生なので一人部屋だ。身体中が痛む、早く風呂に入って眠ってしまいたかった。
校舎から寮まで誰にも会うことなくたどり着き、そのまま部屋に入る。
湯を張るのが面倒だったのでシャワーで済ますことにした。浴室の曇る鏡に映る自分を見ると服で隠れる所は痣が目立つが顔は少し赤くなっている程度。
髪から滴る雫を目で追いながら考える。
確かに平凡ではあるがパーツ自体は決して悪くない、少し長めの前髪に内向的な性格は『暗い』ともとれただろう
今日は金曜日。この週末に出来ることはやってしまおう。
俺は今の状況に甘んじることはしない。
今の状況を打破し、卒業時には家族に「楽しい学園生活だった。」と言ってやる。
明日は学園敷地内にある美容室に行くことにし眠りについた。
――――――
「ありがとうございました~。」
店員の明るい挨拶に軽く頭を下げて美容室から出る。
長かった前髪と後ろ髪を少し切り、ワックスで毛先を遊ばせれば印象もガラリと変わる。
『亮人』の時もワックス利用者だったのでセットはそんなに苦じゃないしこれだけでもだいぶ違うだろう。
平凡な顔立ちだがパーツは悪くないはずだから髪型を変え、身長は174cmあるのだ背筋を伸ばすだけでも雰囲気イケメンになれるのだ。
実際美容室から出てから数人の学園生とすれ違っているが睨まれることも無い。
昨日までは指名手配書でも出てるのかってほど見知らぬ生徒からですら睨まれ暴言を吐かれていたからな。
でもこれで教室行ったらかなり遅い高校デビューみたいに見られんのかなー・・・なんて考えながら寮に向かう
土日祝日でも寮の食堂は営業しているので食事はいつもそこで食べている。
これからは自炊って手もあるな・・・もう鍋を焦がすことはないだろう。俺は器用だし。
明日は食材やら調理器具なんかを買いに行こうと決めたところで食堂に到着。
人はまばら
時刻は午後2時お昼時をとっくに過ぎていた。
空いてて丁度良い。席に付けばウェイターがやって来る
寮のカードキーを提示し和定食を注文すれば10分と待たずに運ばれてきた。これお昼のピーク時でも10分待たないんだぜ。
敵意剥き出しの視線も、陰口・暴言も無い。久しぶりの静かで平穏な食事を噛み締めた。
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