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「明仁・・・?」
ポカンと効果音がつきそうなほど間抜けな顔をした倉原はいつもの5分の1ほどの声で呟く。
お前いつもそれくらいの声量で喋ってくれれば俺の耳も痛くならずに済むのに・・・とただその様子を眺めていると
たちまち倉原の表情はパァっと嬉しそうな笑顔になる。
「なんだよ!!明仁!!すっげぇ別人じゃん!!!いっつも暗いと思ってたけど髪型変えるだけで全然違う!!」
ほうほう・・・暗い奴って思ってたのかなるほど
「あ!もしかして俺が明るくしろって言ったから直したのか!?暗くたって俺達親友なのにっ!でも俺のおかげで明るくなって良かったな!!お前友達いないから心配だったんだ!!俺と友達いっぱい作ろうな!!」
いやいや・・・お前が転入してくるまではそれなりに友達いたんだよ!
俯くようになったのだってコイツとつるむようになってからだし・・・
絶対コイツは自分のおかげでって思いたいだけだろ。
っていうか
「お前のオトモダチとヨロシクしたくないから放っておいてくれると有難いんだけどなぁ。」
ボソリと零した本音は始業を知らせるチャイムの音で掻き消えた。
掻き消えたと思った言葉は倉原には聞こえてなかったようだが奴の少し後ろでこちらの様子を窺っていたクラスメート数人には届いていたようで目を見開き口を半開きにしたまま俺を凝視していた。
隣に座っている倉原がまだ何か話しかけてきていたが、担任が入ってきてHRが始まると静かになる。
コイツは普段凄く五月蝿いのだが授業妨害だけはしない。
まぁ欠席(サボり)が多いだけってのもあるのだが・・・
なので休み時間のサボりの誘いさえ躱せれば、授業中に迎えに来るといったことは無いので静かに授業を受けられるのだ。
HRが終わり担任が教室を出て行くと授業準備の5分休憩だ。鞄から教科書とノートを取り出していると隣の倉原がこちらを向くのが視界の端に見えた。
サボリの誘いじゃないだろうな・・・と訝しげにそちらを見れば
「今日放課後生徒会だからな!!!サボるなよ!!明仁も補佐なんだからちゃんと仕事しないとな!!!」
なんでサボる前提で話をしてるんだコイツは・・・いっつも仕事してねーのはお前だろーがっ
と、言えるものなら言ってしまいたいが授業前に騒ぎになるのは嫌なので「わかった。」とだけ返す。
あぁ・・・まだ1時間目の授業さえ受けていないのに既に放課後が憂鬱なものになった。
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