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「……………なあ、嵩原と神崎って、デキてんの?」
西校舎の片隅にある生徒会室。
校内で、特に発言力と自由が認められている、一種の特質的な組織、生徒会。
淳が副会長を務める生徒会に、その男はいた。
「………………なに、それ。冗談?………一真」
ファイル片手にパソコンを叩く淳が、冷めた顔で『その男』へ顔を向ける。
生徒会に、この男アリ。学校側からも一目置かれる生徒会長………速水一真。
実家は、創業150年以上とも言われる老舗高級料亭。淳の父親や、神崎グループの幹部など、各界の大物も利用する事で知られている有名さ。
成績は、淳と常にトップを争い、同じサッカー部の副主将。
何故か、学校関係者の情報に精通している。←淳も、そこだけは謎。
背も高く、顔もイイ…………が、残念…………この学校には、淳や颯、最近では大和が現れたせいで、その点は若干影が薄い。
速水一真は、掛けている眼鏡を触り、生徒会長席に座ったまま、まるで楽しむように淳を見つめていた。
「あれ?冗談に聞こえた?……………最近の二人を見て、マジで言ったつもりだけど」
そして、妙に勘が鋭い。
「気のせいだろ……………俺は、知らない」
今、生徒会室には二人だけ。
小学時代から、共にサッカーと生徒会をしてきた関係で、お互い遠慮はない。
一真にとって、それは至福の時。
愛する淳を、独占出来るから。
「………ふーん、お前でも知らない事があるんだ。神崎の事なのに」
愛する人を、からかうのは面白い。
平静を装うくせに、その大好きな瞳は、苛立ちを垣間見せる。
そんな姿にゾクゾクしてしまう。
多分……………いや、確実に、自分は『S』だ。
バンッ…………
淳は力強くファイルを閉じ、席を立った。
「………………下らない」
そう呟き、ファイルをしまおうと、資料棚の扉を開ける淳の手に、後ろから一真の手が重なる。
「おい…………っ、一真っ…………」
いきなりの事に、焦って振り返ろうとする淳を、一真の腕が抱きしめた。
「もう、やめろよ…………神崎は。あいつは、自分でも無意識に周りを虜にする。ああいうタイプに惚れても、お前が苦労するだけだ」
「かず………まっ…………」
淳の首筋を、一真の唇が優しく撫でる。
バサバサバサ……………ッ
たまらず動かした淳の手が、資料棚にぶつかり、中のファイルが雪崩落ちた。
「相変わらず、感度いいな………」
「止め……………っ……離………せ」
一真は、淳の身体を後ろから資料棚に押さえ付けると、シャツを捲り、ゆっくり手を滑らせる。
引き締まった、淳の筋肉質な肉体が、一段とエロい気分にさせていく。
「ここ何ヵ月も、彼女作ってないから、溜まってるだろ?俺が、スッキリさせてやる」
「ふざけ………るなっ……………一真っ!」
今日、何回名前を呼んでくれただろうか?
淳に名前を呼ばれるだけで、幸せになれる。
「………………好きだ、淳………」
淳の身体を自分へ向け、一真はキスをした。
「……っん………ぁっ………かず……っ」
「……………神崎を好きなお前も、頑張って優等生を演じるお前も…………………全部、好き…………」
愛を囁き、濃厚なキス。
拒む淳の中へ、舌を無理矢理突っ込み、蜜が垂れる程に絡めてやる。
思わず淳の手が、一真の制服を握りしめる。
感じている……………その感触で、快感が増す。
「…………………プライドなんか、クソくそ食らえだな。お前を抱けるなら、何番目でも甘んじるよ…………淳」
「…………っ………」
こうやって、幾度淳に迫った事か。
高校生になって、ますます身体が淳を欲する。
誤解を招くが、一応、最後まではヤってない。
と言うよりは、ヤらせてもらえない。
それでも、こうしていたぶりたくなる。
たまに、思う。
変態だな……………と。
「た、頼むから……………いつも、困らせんな………一真…………っ」
観念したように、淳は一真の首筋に顔を埋める。
一真は微笑む。
愛される変態は、勝つ。
「じゃあ……………キスして」
これが神崎なら、淳はどんな顔をして、キスをするのだろうか……………?
きっと、自分の知らない顔を見せるんだ……………。
だから、考えない。
ただ前向きに、恋をしたいから。
「…………い、1回……………だけだぞ……………」
困惑する淳の唇が、一真の心を痺れさす。
「嫌だ。もう、1回………」
「一真………っ…………」
一真の我儘を、淳は戸惑いながらも、受け入れる。
腐れ縁。
そう言う言葉が、ピッタリな二人。
二人共、違う相手に恋してる。
奇妙な、三角関係。
今は、四角関係?
いやはや、五角関係?
側にいれば、欲が出る。
若い身体は、身体を欲し。
若い心は、心を欲し。
一途な恋は、稀に?暴走するのだ。
*速水一真(はやみかずま)……………17歳。身長185㎝。小学生の時から、淳と一緒にサッカーをやり、生徒会を任されてきた優等生。中学位から淳に想いを寄せ、素直に気持ちをぶつけている最中。観察力が鋭く、視野が広い。強引な気持ちに戸惑いつつも、淳は一真を親友として認めている。
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