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スイートなSweet
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「ふーん、なかなか…………ええホテルやな」
街中の有名ホテル。
宣言通り、大和はスイートルームにチェックインしていた。
「大和……………ここ、高いでしょ?俺もお金出すよ?」
颯の横で、広い部屋を見渡す大和に、颯は心配気に話し掛ける。
そう、どう見ても高そう…………。
中央にある外国製の調度品で統一されたリビング、その両脇には大きなベットが配置されたベットルームが、一室ずつ客を待ち構えるように重厚な木の扉を開けている。
大和は、男子高生二人の登場に驚くフロント係に、現金前払いで有無も言わさずチェックインさせたのだ。
「何言うてんねん。俺は、自分の女…………女違うな…………彼女?なワケないし、彼氏……………て響きも違うような………………………え?お前って、何て言うたらええんや?」
恋人は恋人?
大和は颯の方を向き、首を傾げる。
「え?………………何だろう?男と付き合うの初めてだから、俺もわかんない………………」
お互い、初の男体験。
宇宙はますます広がっていく。
「ま、まあ……………それは、ともかく。俺は、自分の恋人に金は出させとうない。古いかもしれへんけど、そうしたいんや。お前は金持ちやけど、今後も、一切出すな…………ええな?」
そう言うと、大和は優しく颯を抱き寄せる。
「大和………………」
頬を赤く染め、颯は大和を見上げた。
まだ、夢のよう。
大和の格好良さに、胸が高鳴る。
自分に自信のない颯にとって、常に真っ直ぐ自分を出してくる大和は、とても男らしくて頼もしい。
そんな大和に好きになってもらえるなんて、嬉しさで涙が出てくる。
「あー!また、泣いとる!?…………もう、お前はどんだけ泣き虫やねん。今、泣くとこ違うやろ」
ワケもわからず涙を見せる颯に、大和は苦笑いしながら手で颯の涙を拭った。
「だ、だって……………大和が、俺を大切にしてくれるから………………嬉しくて………」
「はあ!?………………お前………ホンマ純粋やな…………俺、子供タラシこんだ罪悪人のような気がしてきたわ…………………大丈夫か、俺?何か罪、犯してへんよな?なあ、颯?」
颯のあまりにも素直な気持ちが、逆に大和を戸惑わせる。
こんな純粋な人間、今まで会った事もない。
「……………?…………どうだろう?」
「いやいや、どうだろうって何ィ!?そこは、否定せえやっ…………俺の場合、背負ってるモンがモンだけに、リアルになるやろ!………ったくぅ、頼むわ………颯」
「クスクス…………大和、ホント面白い…………」
「アーホ、面白うないわ………………」
大和は溜め息をつき、楽しそうな颯に目をやる。
この笑顔が、たまらなく好きだ。
これを守る為なら、何だって出来る。
地獄にだって、自ら飛び込める。
…………どこまで、堕ちんねん……………。
自分のゾッコン振りに、さすがに呆れた。
笑う颯の手に、大和の手が絡みつく。
「やま…………と………………」
唇が、熱く重なる。
「本気で惚れとるんや………………大切にして、当たり前やろ。涙が枯れるくらい、大事にしたるわ」
今度は、もっと熱いキス。
「…………んっ………や……まとっ………」
感じる颯から、漏れる声が、愛しさを倍増しさせる。
大和は颯のTシャツの裾から手を入れ、その華奢な身体を撫でていく。
「……………颯…………今日はいっぱい、溺れさせたる…………」
「か…………身体、壊れちゃうよ……ぁっ……っん」
颯の身体を抱きしめ、大和は首筋に唇を這わす。
「壊れたら、俺がずっと看病したるさかい、安心し………………なんなら、いっそ…………嫁に来るか?多分、毎日襲っとるけど♪」
「余計に、壊れるじゃん…………っ………もう…………」
困惑する颯を、大和がベットルームへ連れて行く。
ふかふかのベットに、二人の身体が重なるように沈んだ。
どちらともなく指を絡め、互いの唇を欲する。
「……………颯、冗談抜きで……………俺の嫁にならへん………?」
「……………嫁……………俺、男だけど?嫁なの?…………第一…………ご飯、作れないし………………」
「え…………そこ、引っ掛かる?」
颯のTシャツを捲り上げ、手を忍ばせながら、大和は何気に颯へプロポーズ。
この際、シチュエーションは、ご勘弁。
何故だろう……………颯も抵抗なく受け入れる。
「それに…………海が、出させてくれるかなぁ?」
ジャケットを脱ぎ、颯を見下ろす大和の手が、嫌でも止まった。
「は……………出させてって…………何、海の奴………一緒に暮らしとんの?」
「あれ……………言ってなかったっけ?中学の時から、暮らしてるよ。だから、俺が大和の所へ嫁に行くって言ったら………………許すかな?」
許すかァ!!あいつが許すワケないやん!!
あのクソボケ…………ッ!
俺にとやかく言う前に、颯を独り占めしとるやないかぁーっ!
大和の心は、エロモードから一気に嫉妬モードへ切り替わる。
「や、大和?……………もしかして、怒ってる?俺が、ちゃんと言ってなかったから……………」
大和の様子の変化に、颯は心配そうに身体を寄せた。
ベットの上に座り込み、大和は頭を掻きながら、颯を見る。
「………………せやけど、嫁にはなってもええんや?」
「…………あ…………ん…………変?…………この先、大和以外を好きにならないなら、そうなるのかな…………て、思って………………」
あかん、純粋過ぎて、ヘタな事言えへん……………。
颯は、本当に素直に大和に恋をしている。
大和の言動を、何の疑いもなく信じている。
大和は、サラッと言ってしまったプロポーズを、物凄く反省した。
普通に考えて、大和の嫁=極道の○たち……………明らかに、財閥御曹司の颯にはさせられない。
「颯……………とりあえずは、もっと愛を育まなあかんな………………誰にも、文句言わせへん位、愛し合おう………………」
「……………大和…………」
大和は颯を見つめ、今日既に何度目かわからなくなった、キスをした。
いつか、本当にプロポーズをしよう。
真剣に、大切に、慎重に、
一生に一回だけの、愛の言葉。
大人達を、尊敬する。
相手の人生を背負う覚悟で、プロポーズ。
口にするのは、簡単。
実行するのは、大変。
それでも、背負いたい。
相手の全てを、受け止めたい。
甘々な恋に身を浸し、胸を張って、プロポーズ。
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