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いままでも
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嵐史くんに引導を渡して 僕は借りていた家に帰ってきた。
今までみたいに おかえりもないし 会話をするわけでもない。
いつもと変わらない時間を過ごした。
何もしたくなくて 考えたくなくてぼーっとしていた
そのまま 布団に入ってみたけど
いつもと変わらないのに 逆に言えばしがらみから解放されたはずなのに 眠れなかった
そうしているうちに涙の膜が張っているような気がした。
愛すだけじゃなくて 愛されたかった。
だってそうでしょう?? 手を繋ぐことはできなかったし
心だって僕が一方的に引き止めていたようなもので
挙句の果てには彼氏面すらできなかった。僕にはそれすら
ゆるされなかった。
思い返せば高校以来から一緒に居るけど
いつだって僕が言わないと彼は返してくれなかった。
僕はやっぱりこの世界ではその他大勢なんだ。
それもキラキラした人と一緒に居ることで自分の立場が思い知らされるような。さらに惨めさが増す感じ。自分がもっと嫌いになるような。
好きな人と一緒に居られる幸せを教えてくれた人に
この世界での僕の役割も思い知らされた。
つらいなぁ。どうせその他大勢になるなら何も考えないで
いさせてくれれば良かったのに。
そうしたらこの辛さも 惨めさも味わずに済んだのにな。
涙の膜が耐えきれずに破れた。
神様 そんなに僕のことが嫌いですか?
気がついたら まだ2人が幸せだった 日の夢を見ていた
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