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隙を魅せて。42
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「あ、は…類…類ッ」
「っ心咲さん…アンタの中、絡み付いてくる…可愛い…」
「ば、んぁ…そういうこと、っ言うなよ」
激しい快楽に溺れないよう悪態を吐く
“学校”だということを忘れられず
駄目だと思いながらも我慢出来ない…
前までの心咲なら考えられないことで、現状(いま)の心咲はそれほどまでに類に肩入れしている
「心咲さん、好きです大好き…ッ」
「ぁあっ…」
「っん…」
耳元で囁かれた『大好き』にビクッと腰を浮かせると心咲は嬌声をあげ達した
「っはぁ、はぁ…」
「大丈夫?」
「ぁ、あ…大丈夫…」
壁に背を預けるようにぐたっとなる心咲の前髪を掻き上げながら心配する類は心咲の返事を聞くと安堵する
「そんなことより…」
「?」
「っ…イけよ」
「…イって困るのはアンタだろ」
「だからって、やめんなよ…」
「…なら、今日…部屋に入れて?」
「な、なんでっ」
まだ宙に浮いたような感覚の心咲に類はグッと詰め寄る
と、流石の心咲も驚き類の瞳を見つめる
何かと思えば明らかにそういう類いの“誘い”……
「言わなくても分かるだろ?」
「ッ…、あぁ…」
「物分かりいいな流石」
「うっさい」
残る力で類を押し返すと顔を逸らした
「今日何時に終わる?」
「5時半頃には…」
「じゃあ俺遅くなるから先帰っててくれない」
「え、遅くなるって…生徒会の仕事も無いだろ?何があるってんだよ…」
「…まぁ色々あんだよ、待つの面倒臭いだろ?」
生徒会の仕事は俺が副顧問なんだから分かる…
理由を聞いてもはぐらかす類の言い方に納得のいかないような表情をする
「っ…分かった、先帰ってる、けど」
「ん?なに?」
「よ、夜は…どうするんだ?」
心咲は目線だけを逸らすと気恥ずかしそうに話を持ち掛ける
「…作ってくれるの?俺のために?」
「ば、馬鹿か!誰が」
「うそうそ…、適当に買ってくから心咲さんもなんか買って食べればいいじゃん」
類の返答に意地を張って悪態をついた自分に嫌気がさす
折角作るつもりだったのに…何やってんだよ俺…。
きちんと歳上っぽいことしたいのに。
「ッ…だよ…」
「え?」
「…なんだよ」
「今なんて言った…?」
静かに囁いた声が聞こえたらしく空気に混じりあった囁きは復唱を強いられる
「だから…」
「うん」
「…何が食いたいんだよ…っ」
「作ってくれないんじゃなかったのかよ」
「べつにッッ!食べたくないなら…っあ?」
「心咲さん…」
「な!いきなり抱き締めんな苦しいッッ腰痛いって!!」
余りにも素直に言葉にした心咲は頬を真っ赤に染め上げている
そんな心咲を全て延べる前に思いきり抱き締めた
「本当可愛いな、心咲さん…」
「っ恥ずかしいからやめろ馬鹿」
「愛してる、心咲さん…」
「だからッッ」
「オムライス…とかどう?」
「へぁ、ああ…それくらいならなんとか」
恥ずかしいのか嬉しいのか、自分でも分からないほどに心咲は今の状況をどうにかしたかった
突如として発せられた声に驚き変な声が出る
「なら決まりな」
心咲の肩口で嬉しそうに微笑むと抱き締める腕に力を加えた
「…」
そんな類に悪態を突く暇さえなく代わりに類の背中に手を回した
「ばか…」
小さく悪態を突くのも忘れずに…
クスッと息が掛かるのを感じたが恥ずかしさを隠すので精一杯な心咲は痛いくらいに類を抱き締めた
―――――――――
なんだよ、類の奴…
なんつったっけ、麻井…真生…ってのと、付き合ってるって―
陰険教師とは別れたってことなんかな?
でも…やっぱり許せねぇし許すつもりなんてない
類も麻井になんか、そう…魔術的なんを掛けられてるのだとすればっ!
言うべきなんだ!俺が!目を覚まさせてやる!
別にこれは陰険教師の為、とかではない。断じてない、絶対にない!
………よし!
類が居そうな場所は1つ―――
―――屋上
「つか、今何時なんだろ」
「アンタ教師のくせに腕時計とか持ってねーの?」
「この学校はどの教室にも時計があるだろ…必要ねーと思って」
一瞬ムッとする心咲だが気落ちしたように俯きがちにコンクリートの床を眺めた
「はぁ…もう少しで4限が終わるとこだな」
「ちょ、お前…持ってるならそう言えよ!」
チラッと自分の左手首にある時計を確認する類を横目に見ていた心咲は類の手首に腕時計が着いていることに驚愕する
「誰も“俺は持ってない”なんて言ってねぇだろ」
「だ、だったら…なんで早く言わねんだよ」
「はぁ?早とちりするからだろ」
「っ…」
「ほら、腕かして…」
「は、何…」
カチャ、と小さな音を発てて固定されたソレは今の今まで類の左手首にあったソレで…
ソレがなぜ今自分の手首に着いているのか考える思考が一瞬だけ止まった
「あげる」
「え?」
「毎日ソレ着けて、俺のだってずっと考えて意識してればいいよ…」
「っ…何言って「出てこい!!」!?」
突然凄い勢いで開けられた屋上へと続く扉
二人っきりという最高のシチュエーションに釘を指したその声は…言わずもがな
「…啓ちゃん」
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