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隙を魅せて。54
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―――――――
体がスゴくダルい
今までにない高揚感に襲われて何も分からなくなるまで好きだと言った
何度イッたのかなんてもう思い出せない
けど、隣で気持ち良さそうに寝息をたてて眠る恋人の顔を見ると自然と笑みが溢れる
「幸せだな」
ポツリと小さく呟くと類の唇を指でなぞる
その存在と実感を得るために…
「起きねぇの?朝だぜ類くん…」
「……」
「ふ、可愛い寝顔…」
「……」
「愛してる、類…」
呟くように囁くと寝たままの類を起こさないようにベッドから下りてリビングへ向かう
「…反則だろ」
ドアが閉まるのと同時に薄く開いた意識で呟いた
「先に起きたもののどうすっかな」
類はまだ眠っている
かといって自分の家でもないわけで…勝手にあれこれしてしまうのは駄目だと思う
こういうとき、なにをしたらいいんだ
「…なんで先に起きてしまったんだ」
寝たフリでもしとけばよかった
小さく溜め息を付きながら居心地の悪さに後悔する
「……」
しれっとベッドに戻ったら気付かれるかな…
「はぁ」
「いいとこに飯発見…」
「っな!?」
「美味しそ」
「ひぁ?!」
テーブルに頬を着けて俯せると突然刺客から椅子ごと捕まえられる
いつもの類なら絶対にしないセリフが耳元で聞こえてくると身構える前に首筋を舐められる
「お前っ」
「美味しそうだったから朝食かと思った」
「っちゃんと目ぇ覚ませよ」
「充分覚めてるけど?」
「信じらんねぇよバカ」
ヤバイ…スゴく不味いぞこれ…
「つか、何…なんでこっち見ねぇの?」
「それは…」
俺が一番知りてぇよ!!
「いじめんなよ」
「心咲さん前にしてそれは絶対無理」
「な!」
「どうせ昨日のこと思い出して恥ずかしーとか思ってんだろ」
「っそれは」
「本当驚くほど初々しいよな」
「しようがないだろ、慣れてないんだ」
「慣れさせてやるよ、ずっと側に置いて離したりなんかしないから」
「お前本当恥ずかしいことばっか言うなよ」
「でも嫌いではないだろ?脈が速い」
突然抱き締められ胸に手を当て鼓動を確かめる類に更に心拍数が上がる
「そんなのお前のせいだろ…っ」
「そうだな、俺のせいだよ」
胸に当てられていた手を下腹部に回し直すとキツく抱き締め直す
「ばか…」
「今頃?」
「今だからかもな」
「嘘、前から思ってただろ」
「…だってお前、年下のクセに最初っから生意気だったじゃねぇか」
「そうだったっけ?」
「そうだったよ」
「まぁ…心咲さんに再会した時は、一生の運全て使い果たしたと思ってたからなぁ」
「でも」
「「今凄い幸せだ」」
「ふふ」
「はは…」
偶然息の揃ったセリフに二人して笑いあう
「最後の恋だと思う」
「俺も、心咲さんといつまでも一緒にいるよ…どんなことがあったって別れてやらない」
「っ…俺だって」
「心咲さん」
「類…」
朝日に照らされ交わす口付けに加速する思いが止まらず激しさを増し室内に厭らしく水音が響く
「っは、はぁ…苦しいってのいい加減」
「わりぃ、ガッツきすぎた」
「たく、歳の差考えろ阿呆」
「心配しなくても、ちゃんと介護してやるぜ」
「っ…そんな歳でもねぇよ」
「ふ、んで?どうする?」
「なに」
「今日は家でゆっくりしてる?」
急に変えられた話題にはっとしたように視線を泳がす
「そうだな、それがいい…」
「んじゃ飯作るから待ってろよ」
「分かった」
そういうと類はキッチンへ向かい心咲は椅子に腰掛けテーブルに突っ伏すと眠りについた
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