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生徒会室にて⑴会長side
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「もう誰か来てるのか…」
HRが少し長引いた。
焦ってやや急ぎめに来たのに、生徒会室にはあまり人気がない。
「すー…すー…」
蓮はいるのだが、それ以外がいない。
気まずい…
正直、何故か距離をおかれているし…
それで俺も距離を取ってしまっているし…
いや、ここは元に戻すきっかけ作りを…
「…ぃやっ…」
……蓮は嫌らしい。
…
んー…と、まあ、とりあえず誰かが来るまで、行事類の資料の整理を…
ガラッ
引き出しを開けると…
『孝也
蓮君と喧嘩…かはわかりませんが、最近仲が悪いらしいですね?生徒会全員が知っていますよ。
蓮君との間で何が起きて、どうなっているのかなんて知りませんし、興味もありませんが…仲直りしてくださらないと、生徒会全員の迷惑になります。
孝也の方が年上なのですから、何とかなさい。
咲柴舞羽』
この達筆…一目で副会長・舞羽のものだとわかる。
「仲直り…か。てか俺たち喧嘩してたのか」
この空っぽの生徒会室…
あいつらが…仕組んだんだよな…
何も知らない俺と蓮だけが律儀に来たってことか…
偽の放送まで…手が凝ってるな…
「か、いちょ…?」
蓮が俺を呼ぶ。
「ごめ、なさ…っ俺…」
寝ぼけているのだろうか?
焦点が合わない。
「かいちょおっ…」
蓮は泣きじゃくって俺を呼ぶ。
駆けつけても、どうしていいかわからない。
ぎゅっと腰を抱き締められた。
寝たままの体勢で、蓮は俺の腰に両腕を回し、ぎゅっと抱き締めた。
ふと、蓮の腕から力が抜けた。
「蓮?」
返事はない。
返事の代わりに、可愛らしい寝息が聞こえる。
蓮…何を謝ってたんだ?
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