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「ん…」
カーテンの隙間から朝の日差しが差し込んでいる。
「今日は休むか…」
純君はまだ夢の中みたい。
長い睫毛が顔に影を乗せる。
人形みたいな顔をしている。
「電話…」
会社へかけると、部長に繋げてくれる。
『おはよう、高山君。まだ来ないの?僕、君のお茶しか飲みたくないよ。佐藤君がね?淹れてくれたんだけど、お世辞にも美味しいとは言えなくてね?』
「部長…すみません。今日は無理です。熱を出してしまって…」
『ええ!?そりゃ大変だね!どのくらいだい?』
「先程測った時は…39度でした。」
全くのデタラメだが、何故か部長のお気に入りになっている僕なら信じてもらえる。
『高熱じゃないか…!…しっかり寝てね!お仕事沢山頑張ってるから神様が休めって言っているんだろうね?』
「すみません。御迷惑をおかけしまして…」
『良いの良いの!僕もお仕事押し付けちゃったし!じゃあ、お大事にね?』
「はい、すみません。失礼します。」
テンションがやや高めな部長。
何故だか俺だけに優しい。そういうのって、少し怖いよね。
「高山さん…熱出たの?」
すぐ後ろから声が聞こえる。
「そう見える?」
「見えない」
「即答かよ…純君もお休みしようね」
「うん。一回くらい休んでみたかったんだ」
「あ、万年皆勤賞?やっぱ学校行っておく?」
「やだ!高山さんと一緒にいる。」
「どうしたの?そんな可愛いこと言っちゃって」
「高山さん知らないの?今時のDKは繊細なんだよ?自分を誘拐した犯人ともずっと一緒にいたいなって思っちゃうんだよ?」
「初耳だったな、それは」
よろよろとトイレへ行く純君。
下はパンツだけで、真っ白なふわふわ太ももが見える。
女よりエロいわ。
ゲイビ買うくらいだから、俺の世界に女はいらない。
「おはようございます。乃村純の従兄弟です。はい、そうです。純が、高熱を出しまして…39度です。はい。純は欠席でお願いします。失礼します。」
カチャっと、受話器を置いた瞬間、腕を引かれる。
「高山さん…一泊分のお礼…させてよ」
いつの間にトイレから出てきていたんだ?
ぐいっと引っ張られて、ベッドに投げ倒される。
意外に力強いんだ。
「高山さん。僕ね、高山さんがどうして僕を誘拐したか知ってるよ。僕、地下歩道から尾けられてたから。でも、その男の人に殺されても良いかなって思ったの。僕、愛されてないから。」
俺の母親が男とセックス漬けで、一人ぼっちだった過去を思い出した。
「一緒だ。俺と。」
「…嬉しいっ高山さんと一緒なんだ…」
ちゅ
純君が唇を重ねてくる。
「ん…っ…純君。少し歳離れてるよ、俺たち。」
「7歳くらいかな?どうってことないよ。僕は高山さんのこと好きだもん。大好き。殺されても良いって思ってても、心のどこかでは死にたくなかったし。誰かに愛されたかったから。」
「純…高山さんじゃなくて、疾実だよ」
「純って呼んでくれた!?嬉しい!疾実!一生ここで暮らそう!」
「俺的にはマンションで老後は辛いな」
「じゃあ僕が一軒家建ててあげるね!」
ちゅ、ちゅっ…
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