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第3話
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***放課後***
「しょうちゃん!部活いこーぜ!」
たけるは、授業はサボるくせに部活は一度もサボった事がない。
「お前、授業もそれくらい熱くなれよ…」
「うるさいなぁ、もぉ…しょうちゃんってば、俺が教室から消えて寂しかったんでしょ??」
「そんなわけねぇだろ」
部室に入ると、一、二年がジャージに着替え、ボールやネット、松やにを準備していた。
が、俺たちが入室すると、準備する手を止め、ザッと頭を下げた。
「こんにちは、のぼるん先輩!たけるん先輩!」
この変な呼び名は、たけるが広めたものだ。
「こんにちはぁ、準備に戻ってねぇ?」
たけるは、ヒラヒラと手を振ると、自信と俺のハンドシューズを持ってきた。
「ありがとう」
「しょうちゃんさぁ、その顔、止めたほうがいいよ。」
自分に自信など持った事のない俺に、たけるに顔面を指摘され、軽くショックを受けた。
「しょうちゃんってば、ありがとうっていうの慣れてないっしょ?だから、顔真っ赤になってる」
「へっ、」
顔が熱くなったのがわかった。自分でも、ありがとうという言葉は、親父に言うのさえ、照れ臭い。
「しょうちゃん…」
たけるは、靴を履き替え終えると、俺の左半身と自身の左半身が重なるように立ち、俺の肩に額を乗せ、
「そんなやらしい顔しないでよ」
と、囁いて離れた。
その時だった。
「っんぁ……!」
俺の口から、朝も聞いた高い声が出た。
たけるの肩が俺の胸に当たり、声が出てしまったというわけだ。
「しょうちゃ…何今の声…」
「び、びっくりしただけだ。ほら、水筒忘れてるぞ。早く持て、行くぞ」
俺はあくまで平静を保ち、たけるに接した。
たけるは、俺の言い分を信じたようだった。
「待って、しょうちゃん!早いよぉ?!」
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