アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
③
-
まず彼はバスタオルで入念に俺の身体を拭くと、そのままベッドに押し倒した。
うん。大体予想がついてきたぞ…。
田舎者だからってえっちを知らないとでも思ってるのか…ふん。舐められては困る。俺はこう見えて…!
どう見ても…
童貞。
はい、俺終了のお知らせ。
ダメだ…童貞が非童貞に勝てるわけがない。
諦めよう…。
「わわわっ!?」
押し倒したまま俺をただ見つめていただけの彼が、俺の太ももに顔を埋めた。
「さっきから何なんですか!?」
彼は俺の太ももを揉みながら語る。
「君の太ももは素晴らしい。君は美白というやつで美肌というやつなんだね?まっしろなだけかと思ったらふわふわとした肌触り。俺の手にフィットするよ?すごく可愛い。見た目は細いけど、筋肉も付いているね。何かスポーツでもやっていたの?」
つらつらと喋っていた彼が、突然俺に質問を投げかけた。
「え…えっと…ば、バドミントンなら…で、でも小学生の頃の話で…今はジムのスイミングスクールに通っています。」
「えっ、じゃあもしかして、体も柔らかい?」
「え、えっと…そ、それはわからないですけど…」
「そっかぁ…」
彼は心なしか、先程より、深く笑っているように見えた。出会った時から薄く笑んではいたけれど…。
「君、面白いね。気に入ったよ。」
「へ…?」
「連絡先とか教えてもらえるかな?あ、でも俺のこと何も知らないよね。ごめんね、名刺、ちゃんとあるよ。」
「アルン…ラポルト…」
「うん。アルンって呼んで。」
「あの…この会社って人身売買とかしてませんよね…」
「アダルトグッズを生産してるよ!」
「社員?」
「副社長だよー?」
あ、マジだー書いてあるー
って、恥ずっ!!
はっっずっ!書いてあるのに、うわ、やだ土に還りたい。英語ならまだしも日本語で副社長って書いてあるのにうっわっもう顔面から炎でてるって。マジ顔熱いし。もうやだ帰りたい。
「らんは?どこで働いてるの?」
あ、気にしてなかった。
「俺は、働いてないです。山形の実家が酒屋だから、そこ継ぐ気だったんですけど…アルコールに弱くて…弟に譲ってきました。だから、今は無職…です。」
「へぇ…無職ね…」
彼が、にやぁっと嫌な笑みを見せた。
「君、僕のところで働きなよ、ね?」
だ、だろうと思ったああああ…!!!
「あ、アダルトグッズなんてお、おおお俺には無理!」
わたわたと両手をばたつかせるが、彼はにやにやと俺の太ももを揉み続ける。
「大丈夫だよ。使って感想言うだけでいいからっ!」
「それこそむりっ!無理無理無理!」
「うーん…あ、じゃあ試しに一回だけ!やってみよ?ね?それで本当に無理だったら、諦めて俺の恋人に変更するから!」
「いや変更内容おかしいですよ!?」
「お願い!」
「無理です。それと変更内容も認めません!」
「何で?外国人いや?嫌い?髪黒く染めれば良い?カラコンすればいい?」
「何でそうなるんですか!!」
し、知らない人なのにぐいぐいくる怖い!えっと、んーと…あっ、警察!そうだよ警察!
「あっ、あの!スマホ貸してください!」
「おっ、連絡先教えてくれるの?」
彼はベッドから降り、カバンをゴソゴソした。
俺はスマホを受け取ると、ベッドから飛び降りスマホを起動させ、緊急をタップして110コール。
「もしもし、警察でーす。どうしました?」
「も、もももしもし!俺、あの、変な外国人にホテル連れられて!あの、なんか……怖いんです!」
「変じゃないよー?どこに電話かけてるの?」
「ひぃっ!ママです!」
「?あのーあなたのお名前はー?」
「芹川らんですうううう早くたすけてくださいよおおおお!!!」
「現在どこにいらっしゃるかわかりますー?」
「とーきょーのどこかのビジネスホテルですううう!!」
そのとき、アルンにスマホを奪われた。
「すみません、弟が馬鹿なことして。あ、何でもないんです。事件?事件なわけありませんよ。あははっそうなんです、弟馬鹿なんです。ええ。はい。すみません、叱っておきます。はい、失礼します。」
アルンは黒い笑みを浮かべてぐるんと振り向いた。
「さあ、ここで問題です。可愛い田舎者ニートを拾ったアダルトグッズ生産社の副社長である変な外国人の俺ですが…今から可愛い田舎者ニートに何をするでしょうか……予想してみて?」
じりじりと迫るアルン。
「……」
人身売買…臓器売買…いや、違う…
相手の武器はアダルトグッズだぞ!?
レイプに決まってる…
「予想した?顔が真っ青。」
「無理無理!俺、男だもん!女の子狙ってよ!無理無理!」
ドサッ
後ろがベッドなのも知らず、後退りした結果…
自分から外国人を誘うことに…
「なんだ、らんもノリノリじゃないか」
「……違います…」
本当に涙が出てきそう…
山形さ帰りてぇ
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
59 / 129