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『父さん!会わせたい人って、だれ?』
『華さんと、生汰君だよ』
出会ったのは…俺が丁度五歳になったとき位だったかな?
父さんと手を繋いでファミリーレストランに行ったんだ。
『こちらが華さんだよ』
『こんにちは、豪君』
あの時、恥ずかしくて父さんの陰に隠れたのを今でも鮮明に覚えてるな。
『生汰です、よろしくね』
話せない生汰の代わりに、華さんが挨拶した。
生汰はやっと歩ける程で、小さかった。
女の子みたいにピンクの服を着てて、ぬいぐるみみたいだった。
『かわいいっ!』
俺がそう叫んで抱き締めると、びっくりして大きな目から涙を落として泣いちゃったんだ。
「あの時の生汰も可愛かったなぁ…」
「生汰って誰?」
後ろから声を掛けられ驚く。
同僚の斎藤だった。
「ねぇだーれー?」
「俺の弟だよ。」
「へえ、弟いたの?」
「まあね」
「お前に似てる?タレ目でお人好しとか?」
「お人好しって………。でも、似てないよ。血は繋がってないから」
「あ…そっか。」
「でもね、とっても良い子だよ。自慢の弟」
「何歳?」
「今年二十二になった筈だよ。」
「ふええ、若。」
「いやいや、俺たちと三歳しか違わないよ」
「三歳もだろ!」
「斎藤くーん!皆川くんナンパしてないで、これ、会議室に今すぐ届けてきてくれなーい!?」
部長の声がフロアに響いた。
「うわ、またかよ。俺ばっかりコキ使われてる」
「早く行ってやりなよ、部長泣きそうだよ」
斎藤は立ち上がると、部長の元へ駆けて行った。
帰ったら生汰まだいるかな…。
今日は生汰の好きな水餃子作ってあげようかな。
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