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第4話
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「怒んなって…体育館死ぬほど暑いんだよ。ガチで。汗も尋常じゃねえし…」
確かに、汗の匂いがする。
僕とは縁の遠い汗の匂い。
「き…君、な、何部…ですか…」
「俺はバスケ部だぜ」
彼は立ち上がり、シュートのフォームを見せてくれる。
「SG…シューティングガードっつってな?得点稼ぐんだぜ」
「へぇ…」
彼の見せるフォームは美しかった。
バスケなんて、言葉でしか聞いたことがなかったから、よくわからないけど…。
「君は、上手なんですか?」
「んー…上手か下手かなんてわかんねぇけど…去年、全国は行ったぜ!つっても、先輩が強かったからだけどな!」
全国…県を飛び出して、日本各地の強豪校と戦ったということか…
すごい…
彼が話すバスケは、とても面白い話ばかりだった。
試合中の緊張感や、練習の厳しさ、ウォーミングアップとミーティングの大切さや、日を重ねる毎に増す仲間との絆…
僕とは住む世界が違うのだと…思った。
けれど、彼の話をもっと聞きたいと思えた。
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