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第6話
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「おっはよー!」
彼の声だ。
彼のおかげで、もともと騒がしかった教室が更に騒々しくなる。
毎朝1番に教室に入る僕と違って、彼は最後くらいに教室に入ってくる。
「はーよ!亮太」
後ろから、肩を叩かれた。
「え…」
僕の…名前…
「やめろよ常盤!」
「いいこちゃんはお前なんか相手にしねーぞ!」
彼の周りにいた人たちが僕から引き離そうと彼を引っ張る。けれど彼は微動だにしない。
「え!そうなのか?」
…相手にしない…
そのことが気になったのだろう。
彼は僕の顔を覗き込んで聞いてくる。
「っ…ちが、」
「ほら、常盤!こっち来いって!安藤が今日発売の漫画買って来たって!」
「え!マジ!?!?俺さ!超読みたかったんだよ!安藤!1番最初は俺に読ませろ!」
彼は、僕の返事を聞く前に、友人に連れられてしまった。
何を期待していたんだろうか。
所詮、暇潰し相手だったんだ。
そんなこと、わかっていたのに。
友達になってくれると思ってしまったなんて。
僕なんかが、人気者の彼と友達になれるはずがないのに。
恥ずかしい。
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