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依頼の仕事
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「えーーー…と、ここがうちのお隣の科、理科一類の研究室ですね、。ここは主に工学的な分野を研究しているところです。」
「……へぇーー……」
様々な部屋をその扉の小さな窓から覗き込む。
何にせよ、部屋数がべら棒に多いため酒井教授も軽くしか説明できないみたいで、鬼のような速さで一部屋一部屋を流していく。
……なんつーか……、ぜんっぜん頭に入ってこないんですが……。
そんな事を思いながら上っ面で、酒井教授の後をついて回っていると、
「ーーー………っていっても、こんなに速くちゃわかんないですよねー……?」
突然酒井教授が、ぐりんっとこっちを振り返り、眉を下ろして笑ってきた。
……俺がついあくびしていたのがばれたのだろうか、、。
「……あー、、、そっスねぇー……」
なんとなく気まずくなり、あははと苦笑いをしながらそういうと、
「それにしても、意外ですよね、。
" あの " 逢坂基(あいさか もとい) が"帝都大を撮る"なんて。」
なにやらそう、ニヤッと笑いながら酒井さんが言ってきた。
「ーーーーー……っ!!!」
急にフルネームを出されて反射的にビクッと体が揺れる。
「、、え、…あ、…、俺のこと、…知ってんスか、」
「知ってるも何も、今や日本人の一般常識ですよ、。
……日本写真界の異端児。若き天才写真家、逢坂 基。」
しれーーーーーっとそういいのける酒井教授に、なんというか一瞬恐怖すら感じてしまい、
「……やめてくださいよ……」
そう否定する俺の声はいつもの十分の1くらいの大きさだったであろう。
…つーか…まじで結構驚きなんだけど…。
……帝都大の先生が俺のこと知ってるとか……。
「私はね、…結構、絵とか写真とかが好きでね、。
実を言うと君のお父さんの写真から、もうずっとファンなんだよ。」
酒井教授はそういうと、ははっと笑った。
そしてまた俺自身は"父"という言葉が出てきた事に驚く。
……、いや、驚く事もないか、。
父は、息子の俺から見てもすごい偉大で、尊敬できる写真家だった、。
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