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光の中の、
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……その光景に満足行くまで(、といっても数秒間の間だけど)撮り終わった後、その場でカメラを下ろして迷いもなく今撮った写真を確認する。
連射モードで撮った彼が階段の上からつまづいて落下するまでを捉えたものは、驚くほど綺麗に撮れていた。
…というか、さっきは撮るのに必死で気づかなかったけど、これ、……めちゃくちゃ綺麗にコケてんな……wwwwwwwww
最初から最後までゆっくりと撮った写真をスクロールしていくと、彼の足が地面から離れ、体が更に傾き、彼の白衣や髪の毛がふわっと風に乗り、そして彼自身までもが綺麗に放物線を描いている。
まじまじと人がコケる写真を眺める。
……って……なんだか……
「……ふふっ……っふふふふっ……!!!っふははははははッッッ!!!!!!!!」
気づけばふつふつと腹の底からくすぐるような笑いがこみ上げてきて、俺はその場で大声に出して笑っていた。
、っだってさ、?!だってさ?!
こんな綺麗にコケるって……!!!!!!!wwww
っつーーーか、なんで階段の上でコケんの?!?!wwwwww
もう一度その写真に目を向ける。
よく見てみると、転ぶ時のこいつの顔。
心底驚いて、目も口もこれほどまでかというほどに開いている。
……やばい……っwwwwwww
完璧ツボに入ったんだけどwwwwwwwww
「……っあはっ……wwwははははっwwwwちょっ…!!wwお前っwwこれっ…見てみろってwwwww」
腹かかえて大笑いしながら、俺は未だうずくまって動かない奴にそう話しかける。
(その時の基の頭には"助ける"という文字はない)
「……っすげえぞこの顔wwwwwwっははっ……人間ってここまで綺麗にコケれるんだな……っッwwwある意味感動なんだけどwwwww」
そいつにも見えるように俺もそこにしゃがんでカメラを向ける。
……が、そいつは一向に動かない。
「……ってお前いつまでうずくまってんの…wwww
早く起きて、これ見ろってwwwwおいwww」
せっかくそのあまりにも綺麗に撮れたコケを見せてやろうと思ってるのにピクリともしないからガシガシとそいつの肩を揺らしてみる。
(今の基には"心配する"という選択肢がありません)
すると、奴はやっとグググ……とゆっくり身体を折り曲げて、しゃがみこむ。
あ、……よかった、……怪我してないみたい
(一応少しくらい心配はしていた)
と、思っていたのもつかの間、
バッッ!!と振り返ったと思ったら、すごい剣幕で睨まれた。
「……っ!!、!」
突然のその凄みの効いた睨みに、俺がビクついてると、彼はいそいそと手を動かして周りに散らばったものを集めだした。
まだ身体が痛いのか四つん這いになってゆっくりと、資料を集めているが、本当は(一刻でも早くこの場を去りたい)というのがひしひしと伝わってくるその光景は、何故かまたも俺の心をくすぐった。
カシャカシャっ……
気づいたらやっぱり俺はシャッターを切っていて、ファインダー越しの彼に夢中だった。
……というか、ものすごい面白いとおもった。(※最低)
だって、ねぇ、?
なんか、面白いんだもん。
面白いものは面白いし、ここまで腹抱えて笑ったのなんて何ヶ月ぶりかのことだったから、俺も夢中になっていたんだと思う。
彼も嫌だって拒否しないし、……だって嫌だったらもっと嫌がるよな??
俺は終始彼がその資料等を全て集め終えるまでずっとシャッターを切り続けていた。
そして、彼がそれらの資料を抱えて立ち上がった時にやっとカメラを下ろして彼に近づいく。
「……、なぁ、!!……お前、これ見てみ?すげぇからっwwwwホラっ!!」
まだツボに入ったままの俺はさっきみたいに笑いながら彼にそうカメラの画面を見せる。
、でも、
フイっ、……
彼は全く見る気がないらしく、俯いた顔は一切あげずに、フラフラと身体を揺らしながら俺を無視して去っていこうとした。
、え、ちょっと、待って、。
これ、すげぇ見てほしいんだけど、!!!!!!
「…っおい!ちょっと待てって!!!お前、自分の転ぶ姿なんてあんまり見たことねえだろ!!!!、これすごいぞ!!!!!」
個人的に結構いい写真だと自覚していたため、本人には絶対見てほしいとおもい、どんどん俺から距離を離すそいつにそう大声で言うも、
「…………」
彼のその拙い足取りは止まることなく、スタスタと去って行ってしまった。
「………え〜…」
まるで俺の存在なんか見えていないかのように完璧に無視してくる奴に俺は階段の踊り場でがっくしと肩を落とした。
、相当恥ずかしかったのか、?
相当嫌なことしたっけ、俺?(※しました)
結構ガッツリ人に無視されたからちょっとびびったような気もしたけど……
「………ま、いっか。」
いい写真撮れたし。
……つーかアイツ、どーせ研究室で会えんだろ…。
そう軽ーく考る。
……だって、それよりもすげぇおもしれえもん撮れたし!!!
まるで午前中までの憂鬱な気分を忘れて、心も身体も軽くなった気がする。
「………今ならいい写真撮れるかも、!」
俺はその軽ーくなった足取りと上機嫌でその階段を降りた。
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