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薄暗い資料室
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次の日、俺は予定通りまた大学に来ていた。
時間は朝の10時。
今日は昨日と違って朝イチから写真を撮りに来た。
……というのもそろそろいい写真を撮っておかなければならない。
今回の仕事は連載ものだし、定期的に写真を送らなきゃならないし……、、。。
……でも、今、自分の心の中にあるのは昨日のあの写真だった。
都とか言う奴のあの、……盛大なコけ写真。
昨日、家に帰ってとりあえず現像してみようと気分で自宅の暗室に篭った。
簡易的にやったから、凝ったものはできなかったけど、それでも力のある写真たちが出来上がり、その写真はやっぱりいい写真だったと思う。
そんな写真を俺が捨てられるわけが無く、というか、なんでこんな写真が撮れたのに、捨てなきゃなんねぇの??
その理由がはっきりと分かってもいないのに捨てるとかぜってぇ無理だし。
…確かにこの写真は元から連載に使おうとは思ってなかったけど、…これ以上のものを撮るとなると…………、と思い、今日は早く来た、という訳だ。
……でもまぁ、昨日みたいに相変わらず気分は憂鬱で、気づいたら人気のなさそうな薄気味悪い棟に入り込んでいた。
てっきり、結構今までこの大学内を隈なく歩き倒したと思っていたから、こんな場所がある事に内心すごく驚いているんだが、……なんつーか……それよりも
「……うわぁ……なんだここ……」
あまりのその人気の無さと薄暗さに、体感温度が2.3度下がったような気分だ。
昼過ぎの東京だから、きっと太陽は真上にあるくらいギラギラしているはずなのに、一切光が入ってきていない。
それに、なんかホコリっぽいし、、、
おいおい……天下の帝都大にこんな場所あっていいのかよ…………、、
はっきりいってこれじゃあ、廃墟とかと変わんねえレベルだぞ……
……とまぁ、結構ぶつぶつ言ったが、写真を撮る側としては退廃しているものは嫌いではない、いや、むしろ好きなくらい。
あえて、こういう所をクローズアップするのも良かったりすんのかなぁ……なんて無根拠な事を考えながらその薄暗い廊下にシャッターを切っていた。
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