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「彼、昨日の朝から研究室に一度も顔を見せてないんだよね〜…」
昨日の朝…?…って、…
「…、え、それなんかおかしいことなんすか?」
単純に普通じゃね…?だって1日も空いてねえし……
俺がなんの疑問もなしにそういうと、酒井教授は、新聞を折りたたみながら、
「彼はものすごい真面目でね、かれこれここの研究室に入ってから一度も来なかった事はないんだよ、……用がない日でも朝は必ず、植物に水やりをしに来ていたし……」
チラッとさっき見た植物を思い出す。
……あぁ、なるほど…。。
「…それに、大学内でも結構彼を見かけるんだけど、今日は一度も見かけてなくてね……」
酒井教授はそう言って新聞を折りたたみながら心配そうな顔をした。
え、…ていうか…、
「…俺、さっき見ましたよ?」
ハッと思い出したようにそういうと教授が「あ、本当?…来てるなら良かった〜」
と、顔をまた笑顔にさせた。
…そういえばそうだった。
なんかこのホッとする空間に忘れかけていたけど、さっきあいつを見たばっかりだった。
「、あの、そういえば、あそこの総合研究4号館の裏の棟ってなんの場所なんすか?」
そうそう、酒井教授にあったらこれを聞こうと思ってたんだった。
「え、?4号館の裏…?………あぁ、あそこの薄気味悪い棟のこと?……あぁ、アレは昔使われてた資料館でね、もうボロボロだから今度壊されるらしいけど。」
酒井さんはそういういってズズズっとコーヒーをすすった。
え、壊される…………?
「……え、じゃあ今は使われてないんすか?」
少し焦りながらそう聞くと、
「ん?……だって、あんな気味悪い所誰も入らないでしょ?……中の資料だってほとんど読める奴は他の資料室に移動してあるらしいしね、」
移動……してある……?
「…あ、まさか君あそこ撮ろうとしてた?…まぁ、確かにいい感じに退廃してて写真に撮るには良さそうだけど、早いとこ行かなきゃたぶん立ち入り禁止になっちゃうとおもうよ〜」
酒井教授は少し笑いながらそんなことをいった。
……普通の生徒は使わない、……あと少しで壊される…でも、
「でも、俺、アイツそこでみたんすよ、」
「…………は?」
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