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喋れない
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ーーーーーーーーッガラララーーーッッ!!!!!
「ーーっはぁっ…はぁっ…おい!!都!!いんのか!!!!!」
俺はあの薄気味悪い棟の中"第三資料室"の扉を壊れるんじゃないかというほどに強く開けてそう叫んだ。
酒井教授の研究室からここまで何も考えずに、ただあいつの無事を祈って走ってきたが、
相変わらず埃まみれのこの部屋に虚しく俺の声がこだました。
人の気配はおろか、かつて人が使っていた名残も垣間見えないそこはやはり気味が悪く、走ってきて暑いというのに部屋内は寒く感じるほどだ。
「…、はぁっ…はぁっ……都っ!!」
久々に走ったせいで息切れが止まらない。
…、つーか、あいつ喋れねぇのに呼んだって意味ねえよな…、
明かりのスイッチも分からず、というか電気がつくのかもわかんねえけど、ただひたすら狭く置かれた高い棚の間に隈なく目をやる。
俺があいつらをここで見かけたのは、まだ正午前のことだった
、今からもう何時間も前のこと…。
もしあいつがここで……、何かしらのことをされて、それで今でもここにいるという確率は多分相当低い。
……というか、まず俺自身の中ではまだ整理の付いてない自分がいて、。
男が男を襲うっていうのがまず信じられねぇし、、それにそれがこんな最高峰の大学で、こんな俺から身近な所で行われているというのが信じられなかった。
これがただの勘違いであってほしい、。
本当にあの金髪は友達で、ここにしかない資料を借りに来ただけであってほしい。
ただひたすらそんなことを考えながら、その部屋を奥へ奥へと進んでいく。
さっき来た時はだいぶ序盤で帰ってしまったが、こうやって奥の方までくると、かなり広い部屋だということが分かる。
入り口の方はそこからの光や、カーテンの隙間からの光がまだ漏れていて明るかったが、奥の方は窓一つもなく、カメラの暗室のような暗さだ。
……こっから外も一切見えねえし、外からも中の様子は一切見えない。
……こんな所じゃ、中で何が行われても多分全くバレない。
「ーーっチッッッッ!!!」
俺はそんな最悪の状況に大きく舌打ちをした。
ーーー…その時だった、
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