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白い部屋。 都side
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ーーーー目を開けたら、そこは眩しいほどの白だった。
どこかから聞こえるモーター音が耳を通り抜け脳みそを揺らす。
目の前にあるのは…白い…天井だろうか…、。
重い頭を倒して横を見ると溢れるばかりに白い光が窓から差し込んでいるのがわかる。
そして鼻をかすめる薬品のかおり。
………、あぁ…、、ここは…保健室のベッドだ…、、。
頭がガンガンと痛み全く働かず、自分がいまどこにいるのかを把握するのにさえ時間がかかった。
まぶたすら重く感じる…
…って、僕、なんでここにいるんだっけ、…、?
そんなことをぼんやりと思っていると
「……あ、起きたか?」
ビクっっ!!!
急にどこかからそう声が向けられて不覚にも身体を震わせて驚いてしまった。
、…人……、、
思いも寄らない人の存在に緩んでいた頭を無理やり叩き起こす。
同じこの狭い空間に人がいるということが落ち着かない。
ソワソワして、とりあえずは身体を起こそうと身体に力を入れる。しかし
「……っ!」
身体を起こした瞬間に全身に駆け抜けるような痛みを感じた。
そのあまりの痛さに顔をしかめる僕に
「あ〜、あんま無理すんなって、。まだ寝たまんまでいいから。」
そう言いながら声の主が僕の方へとやってきた。
……あ…、この人…、、、
すらっと長い手足にスーと通った鼻筋を持つ整った顔。細長い足にぴったりとしたスキニーを履き、上は大きめの真っ青なYシャツを着たラフな格好だがそれがどことなくおしゃれな雰囲気をかもちだしている。
髪も僕と同じ黒髪だけど、ふわふわとしていてそして後ろで半分束ねて(?)いて、それもまた普通の人とは明らかに違うセンスの良さを引き立てていた。
そして首からは大きなカメラ。
……、あ、……この人、そういえば……。
カメラを持ったその姿を見てようやく思い出す。
こんな大きいカメラ持ってる人なんてそうそういないし、…絶対、あの人だ…、。
そう言って思い出したのは、僕が階段から落っこちたときのことで、この人はそれを勝手に撮ってそして終始ずっと大笑いしていた。
……、てことは、……もしかして、…僕のことまた撮ったのだろうか、…
…え、…いつから、?……、、いつからこの人は僕のそばに居たんだろう、 ……ていうか、…僕、…さっき……
ぷつりぷつりと途切れ途切れに思い出すその記憶にゾッとして身体がカタカタと震えだす。
すると、その男はそれに気づいたのか
「あ〜、安心しろって、もう大丈夫だから」
そう優しく言うとニコッと笑って僕の方に手を伸ばした。
……、嫌だ……怖い、、…!!
多分僕を安心させようとしてくれてるであろうその大きな手に、無差別的に恐怖心を感じた。
暗闇の中で伸びてきた手は、僕の腕を押さえつけてそしてベタベタと身体中を触る。
僕はほぼ無意識にその手と向かってくるこの大きな手を重ねてしまっていた。
目を閉じて堪えたい。嫌だといって叫びたい。
でも
僕にはそれが出来ない。
…僕は……自分を出すことが怖い…。
トンっと乗っかってフワフワと頭を撫でるその手。
その暖かい手に、僕はなんの感情を出すこともない。
多分今の僕の顔はどこを見るでもなくただ冷たい顔をしているんだろう。
嫌がることも、安心した素振りを出すことも出来ない。、
でも、それでいい。
……そうでなくてはいけない、。
……だって僕は、
……、あの声も言葉もない、ただの植物になりたいのだから、。
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