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激戦
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残り5km。
残されたのは僕と巻島さん。
僕は今日、巻島さんを超えるために走っている。
「んじゃ、そろそろ本気で行くかァ」
そう言って腰を上げる巻島さん。
バイクを異常に傾けたダンシング、その見た目からついた異名は〝ピークスパイダー〟
〝頂上の蜘蛛〟
初めてこの人の走りを見た時、この人にとても相応しい異名だと思った。
その日から、この地面を蹴りあげて進むようなダンシングに惹かれていた。
「っま、巻島さん!カッコイイです!」
そう言うとあなたは驚いた顔で振り返り、すぐにニヤけた顔に戻ってこう言うんだ。
「キモイでいいっショォォ!!」
そう言って加速する。
僕はそれに精一杯付いていく。
いや、もう付いていくだけじゃない。
今僕は巻島さんさんと並んでいる。
それどころか巻島さんよりも前に出ることもある。
残り1km。
山の頂上にゴールゲートが見える。
あのゲートをこの人よりも先にくぐって、成長した姿を見てもらって…それから安心してイギリスに行ってもらうんだ。
「あああぁぁぁぁ!」
僕は限界までペダルを回し続ける。
残り500m。
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