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突破
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巻島さんがイギリスへ発つ日。
僕は1人で巻島さんの見送りに来た。
「んじゃぁ、そろそろ行くわ坂道」
巻島さんが時計を見る。
「巻島さん」
僕は息を整える。心を落ち着かせる。
大丈夫、涙は出ない。
「巻島さん、あなたは僕の〝壁〟です」
そう言うと巻島さんは驚いた顔をする。
「だから、壁は突破します!次にあなたと勝負するまでにまた強くなって、きっとあなたを超えて見せます!」
〝なぁ小野田よォ、もし一つしかない得意なことに蓋をされたらどーする?待つ?逃げる?迂回する?
ックハ…突破するっきゃないっショ!!〟
「だから…」
すると巻島さんはぼくの頭撫でた。
「安心しろぉ、坂道…俺も強くなる…だから抜け、強くなれ!」
そう言うと巻島さんは僕に軽く触れるだけのキスをして去っていった。
巻島さん…僕は強くなります。
そしていつか胸を張ってあなたに勝負を挑める日を心待ちにしています。
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