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告白の日
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『どうした荒北、こんなところに呼び出して』
俺が福チャンを呼んだのは人通りの少ない体育館裏。
まさかこの俺がこんなことするなんてなァ…。
『いやねェ、福チャン…どーしても引退前に言いたいことあってさァ…』
俺は人差し指でポリポリと頭をかく。
『なんだ』
福チャンにまっすぐ見られて、すごく言い出しにくい。
『俺、自転車始めたの、福チャンに会ったのがキッカケだったんだよな…まさかバイクがロードレーサーに負けるなんて思ってなかったんだ…』
それから俺はロードを始めた。
野球ができなくなって、荒れてた俺をインターハイまで連れてってくれたのは福チャンだ。
『俺さァ、その日から福チャンしか見えなくなったんだよ…ロードやっててもとにかく福チャンに追いつきたい、一緒に走りたい…なんて考えててさァ…』
福チャンは未だに俺のことをまっすぐ見ている。
『俺、福チャンのこと、好きなんだわ』
ここまでいうと俺は福チャンの顔を見れなくなった。
『友達じゃなくて、恋愛的な意味で…』
目線をしたに向けたまま、続けた。
福チャンはどんな顔をしてる?
驚いてる?引いてる?
大きな不安を抱えながら顔を上げて見たものは…。
『っ…』
顔を真っ赤に染めて視線を逸らしている福チャンだった。
『えっと…福チャン?』
『荒北…俺がなぜあの日からお前に付きっきりでここまで連れてきたかわかるか?』
福チャンに意味深な質問をされる。
『あ、っと…闘争心が強いとか…あと、チームを強くしたいからとか…』
すると福チャンはまた俺に向き合った。
『好きなヤツと最後のインターハイを共に走りたいという願いがあったからだ』
はっきりとそう伝えた福チャンに俺は戸惑いを隠せなかった。
『マジかヨォ…』
俺は安心からかその場にへたりこんだ。
二人とも顔を赤くして笑いあった。
無事恋人になれたんだ。
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