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仲良くしよう
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「……なんかごめんね」
椿さんは長い渡り廊下の真ん中で、ポツリと呟く。
「ぜ、全然大丈夫です! ……あの、頭、痛くないですか……?」
「んー、平気平気!! あいつには昔からぶったたかれてるから!!」
「昔から仲良しなんですか?」
そう訊ねると、椿さんはキューッと目を細めた。
そして僕の手を引きゆっくり歩き始める。
「そーだよ。 仲良し……っていうより師弟みたいなもんだけど。
世話になったんだ。
ホントはアイツ、ジジイなんて呼んだら速攻で殺されても当然ってくらい偉い奴なんだよね。
……いい意味でも悪い意味でも他人に興味ないやつでさぁ。
だから、君を連れてきたときビックリしちゃった。
さっきも、僕が零ちゃんと仲良くしてたらヤキモチやいてたじゃん?
見てくれは怖いけど、いいやつだから。仲良くしてやって?」
椿さんは柔らかく笑って僕を見ていた。
それを見て、いいなあって思った。
僕にもそんなに仲のいい人がいたらいいのに。
……なんて、高望みすぎかな。
最近僕はワガママがすぎる。
「……僕で、いいんですか?」
「零ちゃんがいいんだよ」
ユキツネさんと仲良くできたらいいな。
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