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優しい
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すすすっと一人の女の子が僕に近づいてきた。
髪の毛は茶髪で、セーラー服を可愛く着こなしている美人さん。
あれっ、僕より身長が高いや……かっこいい。
その子の手に僕の顔をくいっと押し上げられて、強制的に目を合わさせられた。
なんだかドギマギする……!!
女の子はニッコリ笑って口を開く。
「あらっ、可愛い」
飛び出したのは超低音。
超 低 音
……ん??
き、聞き間違い??
「え、あの、えっと……」
首をかしげると、椿さんがブーッと吹き出した。
「零ちゃん、こいつら全員男だよ。
人の世について調べてたらそっちの道に進んでいっちゃった奴ら。
ちなみにこのセーラーはミケ。 化け猫だよ」
「えぇぇ!?」
僕は失礼と分かっているけど女の子達をじろじろ見てしまった。
どう見ても制服をきていたり着物をきていたりする彼女達は男になんて見えない。
「ん?なぁに僕? おねーさん達なにかおかしいかしら」
ミケさんの超低音の声がまた一段と低くなっている。
お、怒らせた……!?
「ご、ごめんなさい……ミケさん達が、あ、あんまり綺麗で……ビックリして……」
自分のこの発言にウンザリする。
はっきりしない物言いは家族から疎まれる一因だったのに。
「……ごめん、なさい」
僕が悪いのに、涙が出そうになる。
椿さんとユキツネさんに疎まれたらって思うと、目の奥がつんとする。
「あらあらあらあら……もぉ~……可愛いわねぇ~……ほ~ら、泣きそうな顔しないの。
Let’sメイクよ!!」
ミケさんは、僕の頭をわしゃわしゃっとしてくれた。
……優しい。
「まずは髪の毛からよ!!」
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