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着せ替え人形
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ミケさんが言うと、後ろの女の子達がおーっと声を上げる。
お、おぉ……本当に皆男のひとなんだ……
皆が声を合わせるとスゴい迫力だ。
と、一人の子がぴょんぴょん飛びながらこっちに近付いてくる。
「まろ!! まろにやらせてたもれ!!」
十二単のようなものを着て、太眉で黒髪の女の子……いや、男の子がミケさんにそう言った。
「まろならコイツのことイケメンにできるぞ!!」
そして、あっという間にに僕を鏡の前に座らせた。
椿さんは何故か爆笑だし、ミケさんは「仕方ないわねぇ」と言ってただ見ているだけで、他の子は別の作業に没頭している。
「お客様は髪の毛のボリュームがはんぱないぞ~。 全体的に軽くしていくぞ~」
まろまゆの男の子は、大胆に髪の毛をすいていく。
前髪もバッサリ切られて、顔がすーすーする。
「……あ、まろの名前を教えてやろう。 まろは舞姫というぞ。蛇の化身じゃ」
「は、はい。 舞姫さん……はい」
「舞姫でいい。 あと敬語もやめろ。 ふれんどりーにしてくれ。
……お前の名前は?」
「えと、れ、零です」
「敬語」
「零……だよ」
「そうか。 零、よろしくな。 この美しいまろとよろしくできること、光栄に思え」
「うん、ありがとう……ま、舞姫」
「……お前はお人好しだな」
舞姫は僕の髪の毛を切っている間、僕とずっと話していてくれた。
この子も優しい子だ。
僕が言葉に詰まっても嫌な顔一つしなかった。
「お人好しなのは舞姫の方だよ」
そう言うと、照れたようにムッとした。
「……終わったぞ。 まろの理髪の腕前に感謝しろよ」
そう言って僕の事を立たせてくれた。
……あ、舞姫も僕より背が高い。
ショック……
椿さんは僕の元へ駆けてきて、「可愛くなったね~」なんて言って僕のことを抱っこした。
わ、目線が高い……!
「はーい、ボウヤに似合う着物を皆で選びましょ~」
と、ミケさんは皆に向かって叫んだ。
「ねぇねぇねぇこっちは!?」
「可愛いーー!! いいじゃないいいじゃない!!」
「零ちゃんかーわい!!」
そういう訳で、僕は皆の着せ替え人形になっていた。
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