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ぱんつ一丁
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「……あ、これなんかどうかな?」
そして、椿さんが一着の着物を引っ張り出してきた。
紫色の記事に所々菫の模様のついている綺麗な着物だ。
……でも、女物なんだけど……
「まぁ、いいじゃない? じゃあ髪飾りなんかもつけちゃう? きっと可愛くなるわー」
「み、ミケさん……」
ミケさんは僕を試着室に押し込んで、自分も入る。
「男同士だもんね」
そして、思い切り僕の浴衣を脱がせた。
ま、まぁ僕はぱ……ぱんつ一丁になって……
「……なによコレ」
貧相な体を晒した。
ミケさんは眉を潜めて僕の体を凝視する。
僕の体には、昔から付いていった無数の傷が残っていた。
切り傷とか、殴られたあとも。
でも、全部僕が悪いんだ。
僕が、怒られるようなことをしたから。
「……椿は知ってるの?」
「い、言わないでください。お、お願いです……なんでもします、から……」
膝をついて、ミケさんにそう頼む。
なんて僕は馬鹿なんだろう。
いつかはばれてしまうことなのに。
「……まーいいわ。 着付けするから立って」
ミケさんは手際よく僕に着物を着せていく。
そして、おもむろに呟いた。
「そう易々と何でもする、なんて言わない方が良いわよ。
アタシが悪い男だったらどうするのよ」
「……ごめんなさい……?」
「分かってない!! 零ちんは可愛いんだからもっと用心してよ!!」
僕の髪にピン留めのようなものをぱちん、とつけてミケさんは僕の肩をぽんぽんする。
うわ、この髪留め重い……
「とりあえず終わったわ。
明日からは自分で着付けなさいよ。 アタシの所にきたらやり方教えてあげる」
「ぁ、ありがとうございます」
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